寺川 日本新で2大会ぶり五輪!「死んでもいい」

[ 2012年4月6日 06:00 ]

<水泳日本選手権 女子100メートル背泳ぎ決勝>日本新記録で優勝しピースサインの寺川

競泳ロンドン五輪代表選考会兼日本選手権第4日

(4月5日 東京辰巳国際水泳場)
 女子100メートル背泳ぎで、昨年の世界選手権50メートル銀メダルの寺川綾(27=ミズノ)が59秒10の日本新で、2大会ぶり2度目の五輪出場を決めた。自身の持つ日本記録59秒13を100分の3秒更新した。女子200メートルバタフライでは星奈津美(21=スウィン大教)が2分4秒69の日本新で、2大会連続の五輪切符を獲得。同200メートル個人メドレーでは加藤和(22=山梨学院大)が派遣標準記録を突破して代表を決めた。

 ぶっちぎりのトップでタッチした寺川は何度も電光掲示板を確認した。「59秒かあ、58秒じゃないんだ。でも日本記録で、まあいいかって」。プールサイドでうなずく平井伯昌コーチと目を合わせる。笑顔がはじけた。

 「きょうを五輪の決勝だと思って臨んだ」。自らにプレッシャーをかけて、前半50メートルは世界記録に0秒11に迫る28秒82で入った。課題の「ラスト15メートル」も大きなストロークで泳ぎ切った。59秒10。目標の58秒台には届かなかったが、一昨年の国体で自らが出した日本記録を100分の3秒更新。2大会ぶりの五輪切符に「4年間ずっとこの一瞬を待っていたので、ホッとしています」と目を潤ませた。

 美少女スイマーと注目された8年前は若さと勢いでアテネ五輪の出場権を獲得したが、本大会は200メートルで8位に終わった。その後はスランプが続き、08年北京五輪選考会は100メートル4位、200メートルも3位で落選。五輪後は北島康介を育てた平井コーチの門をたたいた。最初は練習についていけず、同コーチから「もう引退した方がいいんじゃないか」と言われたことも。それでも、諦めきれなかった。弱点だったキック力を少しずつ鍛え、泳ぎで上半身がぶれる悪癖も解消。まともにバーベルもかつげなかった体はウエートトレーニングで筋肉質に変わった。昨年の世界選手権では100メートル5位、非五輪種目の50メートルで初のメダルとなる銀を獲得した。

 今大会は200メートルを回避し100メートルに懸けていた。五輪本番では日程上、200メートルとメドレーリレーの両立は困難。チームメートの自由形の上田、バタフライの加藤と一緒にメダルを狙うメドレーリレーを最優先しての決断。そのリレーにも勢いをつける結果だった。

 ロンドン五輪は水泳人生の集大成と決めている。「死んでもいいんじゃないですかね。そういう気持ちじゃないと勝てない。やるからには頂点を目指してやっていきたい」。いつもは控えめな寺川が過激に金メダル獲得を誓った。

 ◆寺川 綾(てらかわ・あや)04年アテネ五輪の女子200メートル背泳ぎで8位。08年北京五輪は代表を逃した。11年世界選手権は50メートル2位、100メートル5位。50メートル、100メートルの日本記録保持者。近大出、ミズノ。1メートル74、59キロ。27歳。大阪府出身。

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