天才17歳萩野も「コウスケ」北島以来高校生五輪

[ 2012年4月3日 06:00 ]

男子400メートル個人メドレー決勝で世界水泳銅メダルの堀畑(左)を2位におさえ1位となった萩野(右)

競泳ロンドン五輪代表選考会兼日本選手権第1日

(4月2日 東京辰巳国際水泳場)
 男子400メートル個人メドレーで、栃木・作新学院高3年の萩野公介(17=御幸ケ原SS)が4分10秒26の日本新で優勝。代表一番乗りを果たし、男子では00年シドニーの北島康介以来の高校生代表となった。標準タイムをクリアした上位2選手に五輪出場権が与えられる大会で、2位の堀畑裕也(21=日体大)、女子400メートル個人メドレーの2選手も五輪切符を獲得した。

 ハイレベルなデッドヒートに観衆からどよめきが起こった。最後の自由形。いつもは淡々とした表情の男が形相を変えて腕をかく。その背後から世界3位の堀畑が迫ってきた。差はみるみるうちに詰まり、残り5メートルでは相手の左腕が自身の肩を越えた。萩野は、その猛追を振り切ってタッチ板を叩いた。電光掲示板を確認する。1位。17歳は白い歯をくっきり見せ、人さし指を突き立てて1番ポーズ。自己ベストを一気に4秒32更新する4分10秒26は、堀畑の持つ日本記録を1秒72上回った。

 「タイムを見てビックリしました。最後は苦しかったけれど負けないと思って踏ん張った。本当にうれしいです」

 男子高校生の五輪出場はシドニー五輪の北島康介以来12年ぶり。12歳年上の「コウスケ」に続いた。今大会のタイムは昨年の世界選手権の銀メダルに相当し、今季最高の4分11秒81も更新した。前田コーチは「まだ若いので1~2秒アップも難しくない」と予測。周囲の期待を受けた萩野も「失うものは何もない。これ以上のいい泳ぎをして、世界と戦いたい」と前を向いた。次に狙うのは高校生の北島が獲れなかった五輪メダル。その可能性を予感させる力泳だった。

 ◆萩野 公介(はぎの・こうすけ)1994年(平6)8月15日生まれ。10年パンパシフィック選手権の男子200メートル個人メドレーで7位。栃木・作新学院高3年、御幸ケ原SS。1メートル75、70キロ。17歳。栃木県出身。

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