高橋&トラン組が銅 世界大会日本ペア初メダル

[ 2012年4月1日 06:00 ]

キス&クライで得点が表示されると歓喜のあまり思わず珍妙なポーズを取る高橋。左はトラン

フィギュアスケート世界選手権最

(3月31日 フランス・ニース)
 会心の演技を終えると、高橋とカナダ人のトランは熱い抱擁を交わした。合計189・69点は自己ベストを一気に17・60点も更新。ペアの日本代表として初のメダルを獲得した高橋は「私が世界で一番幸せだと感じた」と歓喜に浸った。

 SP3位で迎えた30日のフリー。重圧がかかる最終滑走だったが、着氷が乱れた3回転サルコー以外は安定した演技を披露した。5位以内が目標で、メダルはうれしい誤算。「今年やると思わなかったのに、やっちゃった」。語学が趣味で中国語、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語を操る20歳は、いたずらっぽく笑った。

 日本ではペアの競技人口が少なく、全日本選手権の出場は4年連続で1組だけだ。13歳でペアに転向した高橋は練習環境やパートナーに恵まれない不遇の時期を経て、17歳でトランと出会いペアを結成。カナダを拠点に練習を重ね、快挙を成し遂げた。ただ、14年ソチ五輪に向けては、大きな壁が立ちはだかる。世界選手権は2人の国籍が異なってもどちらかの国で出場可能だが、五輪は国籍が異なると出場できない。日本国籍取得について、トランは「まだ(関係者と)話し合っている」と慎重だ。夢舞台まで、あと2年。2人の歩みに注目が集まる。

 ◆高橋 成美(たかはし・なるみ)1992年(平4)1月15日、千葉県生まれの20歳。5歳でスケートを始め、13歳でペアに転向。07年からトランと組み、世界ジュニア選手権で10年銀メダル、11年銅メダル。1メートル46、35キロ。

 ◆マービン・トラン 1990年9月22日、カナダ・レジャイナ生まれの21歳。4歳でスケートを始める。ペアに転向する前の06~07年シーズンには、カナダの年代別大会で男子9位に入った。1メートル75、75キロ。

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2012年4月1日のニュース