ハエ直撃も集中力切れず…桃子「勝つために」8位浮上

[ 2012年4月1日 06:00 ]

第2ラウンド、8位に浮上した上田

USLPGAツアー クラフト・ナビスコ選手権第2日

(3月30日 米カリフォルニア州ランチョミラージュ ミッションヒルズCCダイナショアC=6738ヤード、パー72)
 集中力抜群の上田桃子(25=フリー)が8位に浮上した。18位から出て4バーディー、1ボギーの69をマーク。通算4アンダー、140にスコアを伸ばした。宮里藍(26=サントリー)は72と伸ばせず、通算1アンダーで22位。馬場ゆかりは通算4オーバー、69位で決勝ラウンドに進出し、宮里美香は通算7オーバー、96位で予選落ちした。世界ランク1位のヤニ・ツェン(台湾)が通算8アンダーで首位に立った。

 16番グリーンでアドレスに入った時だった。「バタッ」。上田のサングラスにハエが直撃した。「それまでしっかりできていたイメージが完全に消えた」というハプニング。それでも、集中力は途切れない。息をつき、しっかり仕切り直した。「もう一度、カップに入るところまでラインをつくれた」と6メートルの下りのパットをねじ込んでバーディー。直前の15番でボギーを叩いていただけに「あそこで決められたのは大きい」という価値ある一打だった。

 発熱と関節痛のため2週前の試合で途中棄権。前戦は欠場して日本に一時帰国していたが、病み上がりを感じさせないラウンドだった。スタートの10番から連続バーディーを奪って勢いに乗り69。首位と4打差の8位に順位を上げて「いい意味で気が引き締まっていた。午後に出て3アンダーは良いゴルフ」と笑顔を見せた。

 前日の初日は「自分に期待していなかった」と気楽に回って71。しかし、この日は結果と内容にこだわった。前夜は「何で自分が(一時帰国した日本から)ここに帰ってきたのか」を自問自答。そこで、「もう米ツアーは(主戦場として)5年目。この大会も含めて勝つために米国で戦っているんだ」と目的を再確認した。

 時間とともにグリーンが硬くなり、後半はパーオンを逃す場面もあったものの、なんとかパーでしのぎ、最終9番のバーディーで締めくくった。「冷静に視野を広く持った中で、強い気持ちでいられた。粘りが次のホール、次のホールにつながる。体調が良ければできるんだと思えた」。爆発力がある一方で、ムラッ気が課題だったが、この日はすきを見せなかった。ノルマは「残り2日間で2桁アンダー」。もちろん、その先の優勝争いを見据えている。

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2012年4月1日のニュース