しのぶ、禅修業でイップス克服!1年6カ月ぶり首位発進

[ 2012年3月3日 06:00 ]

5番、ティーショットを放つ諸見里

ダイキン・オーキッド・レディース第1日

(3月2日 琉球GC=6439ヤード、パー72)
 諸見里しのぶ(25=ダイキン工業)が5バーディー、1ボギーの68をマークし4アンダーで、10年日本女子プロ選手権以来となる1年6カ月ぶりの首位発進だ。昨年は1Wが不調に陥り、10試合で予選落ちした。地元沖縄開催のホステス大会で復活の10勝目を目指す。馬場ゆかり(29=ビックカメラ)ら6人が首位に並ぶ。横峯さくら(26=エプソン)は1アンダーで25位につけた。
【第1R成績】

 開幕戦は毎年、諸見里にとって大きな意味を持つ。開催地が地元沖縄であり、所属契約を結ぶダイキン工業の主催大会。モチベーションが高まる一方で、プレッシャーも大きい。その中で、納得のスタートを切った。

 「目標設定は69。それを1つ上回れて良いスタートを切れたと思う」

 1番で3パットのボギーを打ったが、引きずらなかった。6、8番で5メートル強のバーディーパットを沈めると、安定感を取り戻した。後半はボギーなし。濃い霧に包まれた18番は2メートルを沈め、5つ目のバーディーで締めくくった。6人が並ぶとはいえ、初日の首位は10年9月の日本女子プロ選手権(最終的に12位)以来、実に1年半ぶりだ。

 09年に6勝を挙げながら、ここ2年は勝ちがない。それどころか、昨年は極度の不振に陥った。

 「1Wでイップス(精神的な原因で動作に支障をきたす運動障害)になりました。振るのが怖かった。どこに向いているのか分からなかった。それまで1Wで苦しんだことはなかったのに」

 7月のスタンレー・レディース最終日に日本記録の8連続バーディー以上、ハーフ27を記録した後も立て直せなかった。シーズンの終盤15試合は7試合で予選落ち。30位が最高だった。79試合連続予選通過の歴代4位の記録を持つ実力者には考えられない成績だった。10月には1試合欠場して家族旅行に出かけたほど、精神的にも落ち込んだ。

 復活へ、オフは1Wを磨き、栄養士の指導で食事面も改善した。さらに伊豆の修善寺で座禅を行った。1週間に及んだ初めての取り組みは「人生で初めて音を上げた。人生観が変わった」と心のリセットになった。1番のボギーで動揺しなかったのは「そのおかげかな」と笑った。

 「1Wが凄くいい。緊張した時でもフェアウエーに打てている」と不安は消えた。思い入れの強い大会で、節目の10勝を飾る準備はできている。

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