ジャンプW杯…沙羅とサラの一騎打ちか 鍵は飛型点

[ 2012年3月2日 17:42 ]

 第6、7戦を制して総合2位につけるイラシュコ(オーストリア)が、この日の記者会見で開口一番に言った。「今のサラとサラを負かすのはとても難しいわ」。くしくも同じ名前を持つ高梨とヘンドリクソンが、一騎打ちの様相を呈す。飛型点が鍵を握りそうだ。

 高梨が2位に入った3試合は、いずれもヘンドリクソンが優勝した。日本の期待を背負うエースにとっても2歳年上の第一人者は「あこがれでもあり、目標」だが、世界ジュニアでついに競り勝った。その勢いと自国開催の利を生かせれば、待望のW杯初優勝にも手が届くだろう。

 高梨は練習の3回とも飛距離で上回った。ヘンドリクソンは「彼女はとてもいいジャンプをしているし、世界ジュニアは優勝にふさわしかった」と、挑戦者のような話しぶりだった。

 ただ、日本チームの渡瀬チーフコーチと全日本スキー連盟の斉藤ジャンプ部長は「(着地で)テレマーク(姿勢)を入れなければ(ならない)」と口をそろえた。このままでは着地の姿勢で安定したヘンドリクソンに飛型点で劣るため、合計点では勝てないとみた。

 高梨は「助走路ががたついていて、しっかり乗るのが難しかった」と話した。助走路での滑りで問題がなくなれば、全体の流れの中で余裕を持って着地体勢に入れるはず。その先に快挙がある。

続きを表示

2012年3月2日のニュース