藤原新5・13仙台国際ハーフ出場検討 被災地に雄姿を

[ 2012年3月2日 06:00 ]

5月13日の仙台国際ハーフマラソン出場を検討している藤原新

 夢舞台の前に、被災地で雄姿を見せる。ロンドン五輪男子マラソン代表入りが確実な藤原新(30=東京陸協)が、5月13日の仙台国際ハーフマラソン(仙台市陸上競技場発着)の出場を検討していることが1日、分かった。春先はトラックの1万メートルで27分台のタイムを狙ってスピードを強化、その後はハーフマラソンで調整して本番に臨む予定だ。

 男子マラソン界の新星が、夢舞台への具体的なプランを描き始めた。2月26日の東京マラソンで、日本歴代7位の2時間7分48秒の好タイムをマーク。日本人最上位の2位でロンドン切符を確実にした藤原が今後の構想を明かした。「五輪までハーフに出るなら仙台とか札幌(7月1日)ですかね。海外にもいろんなレースがありますけど、国内ならこの2つかな」。一気に注目度が上がった東京マラソン後、初めて出場を検討しているレース名を挙げた。

 仙台国際ハーフは昨年、東日本大震災の影響で中止となった。10年まではエリートランナーのみで行われてきたが、今年から市民ランナーが参加する1万人規模の大会として再出発する。大会関係者は「五輪に出るような選手が出場してくれると盛り上がる」と藤原の参戦を大歓迎している。被災地で五輪ランナーの雄姿を披露する前には、春先のトラックで1万メートルの自己ベスト28分41秒05を27分台まで引き上げる計画。記録会や春季サーキットに積極的に出場し、スピードを磨く。「1キロ3分じゃなく、2分55秒でも楽に感じられるようにしたい」と気合を入れた。

 10年3月に所属していたJR東日本を退社してプロランナーに転向したものの、スポンサー企業が経営難となり昨年11月に契約解除。マラソン一本に集中する自身のスタイルを理解してくれるスポンサー、実業団を募集中だが「まだ具体的なコンタクトはない。焦らず考えたい。4月中に決まればいいかな」と話した。被災地を駆ける頃にはスポンサーも決まっているはず。夢舞台のスタートラインへ、無収入のニューヒーローは着実に前進していく。

 ▽ロンドン五輪への道 昨夏の世界選手権、昨年12月の福岡国際、2月26日の東京、4日のびわ湖毎日が選考レース。世界選手権でメダルを獲得した日本人最上位は代表内定だったが、堀端宏行(25=旭化成)の7位が最高だった。各大会の上位から、日本陸連が3選手を選出し、12日に発表される。藤原は代表入りが確実。東京で14位と惨敗した川内優輝(24=埼玉県庁)は微妙。4日のびわ湖毎日には堀端、今井正人(27=トヨタ自動車九州)らが出場する。

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2012年3月2日のニュース