サントリー雪辱美酒!ジョーンズ監督、胴上げ拒否

[ 2012年2月27日 06:00 ]

<サントリー・パナソニック>トップリーグ優勝トロフィーを手にした竹本主将を中心に、笑顔で記念撮影を行うサントリーフィフティーン

トップリーグ プレーオフT決勝 サントリー47―28パナソニック

(2月26日 秩父宮)
 サントリーのエディー・ジョーンズGM兼監督(52)がチームに4季ぶり2度目の優勝をもたらした。サントリーは2連覇を狙ったパナソニックから5トライを奪って47―28で快勝。前半に一度は逆転されたが、元オーストラリア代表フランカー、ジョージ・スミス(31)の3連続トライなどで突き放した。4月から日本代表を指揮するジョーンズ氏は攻撃ラグビーで昨季決勝の雪辱を果たし、日本選手権との2冠獲得を誓った。

 ジョーンズGM兼監督は優勝の歓喜に酔いしれるフィフティーンをベンチから静かに見守った。「スバラシイ。決勝で勝つことができて夢のようだ。サントリーが強いチームになったことを証明してくれた。本当に誇りに思う」。昨季の就任から手塩にかけて育てた教え子の成長を喜んだ。

 昨季決勝で敗れたパナソニックに前半中盤で逆転されても慌てなかった。バックスの攻撃を封じられるとFWの力勝負に変更。13―13の前半36分にラインアウトからのモールで押し込んで勝ち越し、後半も分厚い攻撃で主導権を渡さなかった。指揮官は「タフになった」と選手を見上げた。

 攻撃ラグビーを遂行するために選手を徹底的に鍛え上げた。「プロ並みのたくさんの練習を積ませた」。全部員44人のうち33人の社員選手は出勤前の午前6時から2時間のウエートトレを敢行。昨年までの運動量の多さにフィジカルの強さが加わって密集戦でも相手を圧倒するようになった。

 さらに「強いクラブは一つのファミリーにならないといけない」とチーム内の対話を深めることに力を注いだ。試合前には必ず選手と1対1のミーティングを行った。選手同士の会話が増えるように食堂での携帯電話の使用を禁止した。また4グループに分けて、グループでディスカッションをしたり、外食に出かけるよう指示。選手間の密な交流を促した。

 28歳のNo・8竹本主将は「エディーさんに“選手のピークは31歳だ”と言われて自信になった。体力的な数値は現在が最もいい。会話で仲間意識が強まった」と話す。決勝では今季全戦先発のロック篠塚とCTB平が試合直前に負傷し急きょ欠場。全員が助け合って緊急事態を乗り切った。

 指揮官はトップリーグを制覇しても胴上げを拒否した。「東芝にリーグ戦で負けなければ完璧なシーズンだった。まだシーズンは終わっていない。東芝には二度と勝たせない」。日本選手権では東芝が順当に勝ち進めば準決勝(3月11日、国立)で対戦。初の2冠獲得を置き土産に、4月から日本代表ヘッドコーチに就任する。

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