3日連続60台で浮上…遼 マスターズ射程にとらえた

[ 2012年1月30日 06:00 ]

6番でバーディーを奪った石川遼

ファーマーズ・インシュランス・オープン第3日

(1月28日 米カリフォルニア州サンディエゴ トーリーパインズGC南コース=7569ヤード、パー72)
 南コースで決勝ラウンドが行われ、石川遼(20=パナソニック)は5バーディー、2ボギーで3日連続の69をマークし、通算9アンダーで20位から11位に浮上した。攻めと守りのメリハリが利いたゴルフで課題の3日目にスコアを伸ばした。首位のキール・スタンリー(24=米国)とは9打離れているものの、2位以下は接戦。マスターズ切符へ大きく前進するためにも上位進出を狙う。

 派手なプレーは一つもない。コメントも落ち着き払っている。11位に浮上した石川だが、最後まで喜ぶ顔を見せなかった。「要所要所でセーフティーに行き、ピンを狙うところを見極めようとしていました」。コメント通りベテランのようなメリハリの利いたラウンドだった。

 4ホールあるパー5で3バーディー。取るべきところで確実にスコアを伸ばす一方で、ピンチで無理をしなかった。14番は第1打が右のラフへ。前の木が邪魔と判断すると、花道まで運び、そこから1メートルに寄せてパーでしのいだ。「2打目を打つ時から3打目までのイメージができていた。狙い通り」と胸を張った。

 「ドタバタしたのがない。感情のコントロールができている」と海外で戦うための精神状態をつかみつつある。昨年のマスターズで20位から30位に後退して以降、常にテーマにしている3日目で、今大会最多の5バーディー。「普通にやっていこうと。要は自分の実力に沿った攻めをしていくということ」。首位のスタンリーと2人だけしかいない3日連続の60台が成長の証だった。

 9打差の首位を除けば4打差の2位からは混戦となっている。単独3位なら40万8000ドルの賞金を獲得。昨年の賞金ランク150位の賞金(41万1943ドル)を超えれば制限なく試合に出場できる一時会員になれるとあって、米ツアーのシード獲得へ視界が開けてくる。だが、目指すはそれ以上。試算では2位なら世界ランク30位台前半にまで浮上する可能性が高く、大会2週前の世界ランク50位以内に与えられるマスターズ出場資格もほぼ手中に収める。

 「何が起こるか分からないのが最終日」と石川はひしめく実力者相手にも臆することはない。喉から手が出るほどほしい“チケット”は手を伸ばせば届く距離にある。

 ≪ブリジストン以来2度目≫石川は第1日から3日連続で69をマークしたが、米ツアーで3連続60台をマークしたのは昨年のブリヂストン招待以来2度目。この時は67、68、64、69と最終日まで4日間60台をマークし、米ツアー最高の4位になった。また国内ツアーで3日連続の60台は4連続(3度)を含めて11度あり、そのうち09年のミズノオープン、フジサンケイ・クラシック、コカ・コーラ東海クラシックの3試合で勝っている。

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