遼 予選突破!米ツアー最長3連続バーディーで巻き返した

[ 2012年1月29日 06:00 ]

2番でロブショットを放ち、打球の行方を追う石川

ファーマーズ・インシュランス・オープン第2日

(1月27日 米カリフォルニア州サンディエゴ トーリーパインズGC北コース=6874ヤード、パー72)
 37位から出た石川遼(20=パナソニック)は北コースを回り、4バーディー、1ボギーで2日連続の69をマーク。通算6アンダーの20位に浮上した。一時はカットライン付近に後退しながらも、14番からの3連続バーディーなどで巻き返した。通算14アンダーのキール・スタンリー(24=米国)が首位をキープ。昨年の日本ツアー賞金王・ベ・サンムン(25=韓国)が南コースで67を出し、3位に浮上した。

 きっかけは、割り切りだった。スコアを1つ落とし、予選落ち危機の2アンダーで8番を迎えた石川は「目が回ってもいいぐらい振ろう」と腹をくくった。そこまでは、調子が良かった初日のスイングを重ね合わせようとする気持ちが先行して、体の回転が浅くなっていた。修正ポイントを定めると、ショットの切れが戻り始めた。

 後半のインは、18番を除く全ホールで第1打でフェアウエーをキープした。こうなれば、マネジメントがしやすい。10番パー4は残り129ヤードからPWでピンをかすめて30センチにつけるベタピンでバーディー。14番からは米ツアー自己最長となる3連続バーディーを奪った。いずれも上りのラインにつくよう、狙ったエリアに落とした。

 「15番は左奥しかチャンスとなるところがなかった。そういうところに的確に打っていけた」

 同組のラブマークは、今大会の平均飛距離が325・3ヤードというツアー屈指の飛ばし屋だったが、意識せず変に力まなかったのも成長の証。ジュニア時代は格上だった相手に平均飛距離で40ヤードも離されながらも、スコアでは7打も上回った。

 世界ランク1位のドナルドは昨年、平均飛距離が石川よりも10ヤード近く劣る281・4ヤードながらも、総合力でカバーして史上初めて米国、欧州の両ツアーで賞金王になった。そのドナルドを手本にするように、石川も今大会はパットとコースマネジメントでスコアメークをし「今のキャリーでもやっていけるというのを十分に感じる」と新たな手応えを口にした。

 2日連続の69で37位から20位に浮上したが、笑顔はない。初日同様、第2日も北コースの平均スコアは南コースより3打近く少ない69・859。その条件の中で前半ノーバーディーともたつき、伸ばし損ねたという印象がぬぐえなかったからだ。

 「エンジンがかかるまでに時間がかかってもったいなかった」

 マスターズ出場へ向けて世界ランク50位以内を目指す戦いが続く。首位とは8打差だが、「僕ぐらいの位置の選手はイチかバチかぐらいのプレーでくる。僕もそういったプレーをしたい」と、上位しか狙っていない。決勝ラウンドはタフな南コースに移る。再び難コースに勝負を挑む。

 ≪国内最長は4trんぞく≫石川の3連続バーディーは米ツアーでは初。海外の試合では09年の世界選手権シリーズ、HSBCチャンピオンズ第2日の5~8番に4連続バーディーを記録、同大会最終日にも3連続バーディーを奪っている。また同年の韓国オープン第2日にも3連続バーディーを記録した。国内ツアーでは4連続バーディーが最多で、10年のダイヤモンドカップ第3日にスタートの10~13番にバーディーを並べるなど8度記録している。

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