4年前19位のリベンジに気合…福士「自分に勝つ」

[ 2012年1月28日 06:00 ]

会見中、あくびをして余裕の表情の福士加代子

 ロンドン五輪の代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソンは29日、長居陸上競技場発着のコースで行われる。27日は大阪市内で福士加代子(29=ワコール)らが会見。初マラソンとなった4年前の大阪国際で19位と惨敗した福士は、浪速路でのリベンジに自信を見せた。アテネ五輪金メダリスト・野口みずき(33=シスメックス)は欠場したが、トラックの女王が主役を演じる。

 大一番を2日後に控えても“福士らしさ”は変わらない。有力選手が並んだ会見中、笑みを浮かべるだけでなく、腕のストレッチをしたり腹部をさすったり口を開けて天井を見つめたり…。終始リラックスムードを漂わせていたが、ロンドン切符が懸かった42・195キロへの意気込みは自然と熱を帯びた。「負けたことに負けずに、自分に勝ちたいと思う。テーマは自分に勝つこと」。4年前のリベンジへ、トラックの女王が気合十分だ。

 3000、5000メートルの日本記録を持つ福士は08年1月、屈辱を味わった。北京切符を目指して大阪国際で初マラソンに挑んだが、後半に大失速して19位。ゴール寸前で4回も転倒し「生まれたての子鹿みたいになった」と笑って振り返っていたが、胸に秘めた思いがあった。「失敗した自分が悔しかった」。11年元日、マラソンでロンドン五輪を目指すことを決意。4年前は1カ月しかマラソン仕様の調整をしなかったが、今回は7月から半年にわたって入念に準備してきた。“子鹿”にならず、最後まで自慢のスピードを生かせる仕上がりだ。

 一騎打ちが注目されていたアテネ女王・野口は左太腿を痛め、25日に欠場が発表された。「聞いた時はビックリした。私もいろいろ気をつけようと思った」と話した福士だが「(野口の欠場で)何か変わるというのは特にない」とレースプランに変更はない。ライバルの有無にかかわらず、自分のレースを貫くだけ。「マラソンで五輪に行ったら、世界のマラソン選手とどうやって戦うのかなぁ」。トラックからマラソンの女王へ。その視線は、既に半年後の夢舞台を見据えている。

 ▽08年大阪国際女子マラソンVTR 初マラソンの福士は5キロ16分34秒、10キロ33分11秒と序盤は野口みずきの持つ国内最高記録(2時間21分18秒)に匹敵するハイペースで独走。だが、30キロをすぎてから急激にペースダウン。34・6キロでヤマウチにかわされると、次々に後続に抜かれ、残り570メートルで転倒。トラックに入って残り300メートル、170メートル、5メートルでも転倒した。2時間40分54秒で19位と惨敗。

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