20人ぐらい自己破産?課題は年寄名跡の「功労金」

[ 2012年1月25日 19:45 ]

 具体的な協議に入る年寄名跡問題の論点となるのが「功労金」の額だ。日本相撲協会の放駒理事長(元大関魁傑)は「可能な限りの特別功労金を支払う」としているが、話し合いの先行きは極めて不透明だ。

 親方が名跡取得時に支払った額は億単位だった場合もある。今の相撲協会は八百長問題による本場所中止などで収入が激減する赤字体質。100人以上いる年寄の退職時に順次、億に近い額を払うのは現実的ではない。

 相撲協会の公益法人制度改革対策委員会の深沢武久委員(元最高裁判事)は「何千万と決めても、実際にはそこまで払っていない親方もいると聞く。額を一律にするかどうかも含め、難しい問題だ」と指摘する。

 疑心暗鬼の親方衆の間では早くも1000万円や500万円など、さまざまな臆測が飛び交っている。50代の部屋持ち親方は「銀行からお金を借りている親方たちは、銀行の締め付けが厳しくなるのではと恐れている。このままだと20人くらいは自己破産してしまうよ」と訴えた。

 成案を得るめどは6月。理事長が交代する新体制には、いきなり難問が待ち受ける。

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2012年1月25日のニュース