全米準Vペア一蹴!19歳差・錦織&伊達組が1回戦突破

[ 2012年1月23日 06:00 ]

全豪テニス第7日、混合ダブルス1回戦を突破し、喜ぶ錦織(右)、クルム伊達組

 全豪オープンテニス第7日は22日、オーストラリア・メルボルンパークで行われ、混合ダブルス1回戦で、初挑戦の錦織圭(22=フリー)、クルム伊達公子(41=エステティックTBC)組は昨年の全米準優勝ペア、エドゥアルド・シュワンク、(25)ヒセラ・ドゥルコ(26)組に6―4、6―1で快勝し、2回戦に進出した。今夏のロンドン五輪でのメダル獲りへ向けて日本の最強コンビが好発進した。錦織は23日、シングルス4回戦で、世界ランク6位のジョーウィルフリード・ツォンガ(26=フランス)と対戦する。 

 日本の夢の最強ペアが大きな一歩を踏み出した。コンビ初戦で58分での完勝。クルム伊達のクロスで勝負が決まると、2人はがっちり握手を交わして喜びを分かちあった。

 錦織は「初めての混合で1勝できたことは率直にうれしい。2人ともいいプレーができた」と満足そうに振り返れば、クルム伊達も「やるべきことができていたので、出だしからいいリズムで入れた」と笑顔が咲いた。

 23日にシングルス4回戦を控える錦織と、単複ともに初戦敗退したクルム伊達は午前中の練習でも別々に調整。一度も一緒に練習しないままのぶっつけ本番だった。序盤では前衛に不慣れな錦織がボレーで空振りする珍プレーも飛び出した。互いに譲り合い、お見合いする場面もあった。だが、時間がたつにつれて2人の良さを発揮。錦織が後方から力強いショットを打ち込めば、クルム伊達も要所でボレーを決めた。ダブルスで実績のあるアルゼンチンペアから第1セットを6―4で奪うと、第2セットは6―1と圧倒した。

 19歳差コンビの息はぴったりだった。クルム伊達は錦織にミスが出ると、かいがいしく近寄って声をかけた。試合前には「混合は男子が女性にいかに厳しく打てるかが大事。やさしさを出してはいけない」とアドバイス。錦織はちゅうちょなくドゥルコに強打を浴びせ、主導権をつかんだ。錦織は「助言があったからこそ」と“姉さん女房”を立てれば、クルム伊達は「私は(前衛で)立っているだけで楽だなあと思いました」と笑った。

 24年パリ大会以来88年ぶりに正式種目に復帰するロンドン五輪での挑戦を見据えてのコンビ結成だ。昨夏の全米オープンでクルム伊達が「機会があったらやらない?」と声をかけたが、その時はクルム伊達の故障で流れた。今回は主催者推薦7枠のうちのアジア枠をもらって出場。五輪でのメダル獲得へ向けて大きな弾みをつけた。

 昨年の全米は米国の無名の若手コンビが優勝した。錦織は「誰にでも優勝のチャンスがあると思った。行けるところまで頑張りたい」と鼻息は荒い。2回戦の相手は第1シードのブライアン(米国)、ペシュケ(チェコ)組を破ったビンチ、ブラッキアリのイタリアペア。ここを突破すれば、日本人同士のペアで過去最高のベスト8に並ぶ。シングルスで全豪の日本男子80年ぶりの3勝をマークするなど快進撃を続ける錦織は、混合でも新たな歴史をつくりそうだ。

 ▽ロンドン五輪への道 全仏オープン終了後の6月11日のシングルスの世界ランキングで、男女とも上位56人(1国最大4人まで)に自動的に出場権が与えられる。シングルスは64枠で、残り8枠は推薦などで決まる。70位前後が出場権獲得の目安とみられる。混合ダブルスは16枠で、12枠は両選手のランキングの合計の少ない順番で決まり、残り4枠は推薦となる。

 ≪勝ったのは03年杉山ペア以来≫全豪の混合に日本人同士のペアが出場するのは錦織、クルム伊達組で6組目。勝ったのは03年に2回戦に進んだトーマス島田、杉山愛組以来で2組目。4大大会で日本人同士のペアの最高成績は69年ウィンブルドンの渡辺康二、沢松和子組と73年全仏の神和住純、沢松和子組のベスト8。

続きを表示

この記事のフォト

2012年1月23日のニュース