北の湖親方が理事長復帰へ “対抗”九重親方も後押し

[ 2012年1月12日 06:00 ]

理事長復帰が有力になった北の湖親方

 日本相撲協会の次期理事長に北の湖親方(元横綱)が復帰する方向で調整が進められていることが分かった。11日、出羽海一門が会合を開き、初場所後に行われる役員改選で同親方と出羽海親方(元関脇・鷲羽山)、千賀ノ浦親方(元関脇・舛田山)を理事候補として擁立することを決定。理事長は理事の互選で選ばれるが現職の放駒理事長(元大関・魁傑)が定年のため、同親方を推す声が有力となっている。31日の理事会で決定する。

 この日、出羽海一門が北の湖親方らの擁立を決めたことで、各一門と貴乃花グループの理事候補者が出そろった。一門の支持を受けた候補者は初場所終了後に立候補し、定員(10人)を上回れば評議員(親方、立行司、力士代表)による投票を行う。現状では友綱親方(元関脇・魁輝)を加えた11人が立候補する可能性があるが、関係者の話を総合すると北の湖親方が次期理事長に就任することが濃厚となっている。

 野球賭博問題を機に10年8月に就任した放駒理事長は来年2月に定年を迎えるため、初場所限りで任期満了となる。理事長(任期2年)は新理事10人の互選で決めるが、既に北の湖親方を選出する方向でまとまっているという。当初は協会No・2の出羽海事業部長が有力視されたが、九州場所前から体調を崩しており健康面に不安を抱えている。適任とされるのは北の湖親方と九重親方(元横綱・千代の富士)。しかし、ある協会関係者は「九重親方も北の湖親方を後押しすることを決めた」と証言する。

 北の湖親方は02年に初めて理事長に選出され長期政権は安泰と言われていた。しかし07年の朝青龍騒動や時津風部屋力士暴行死事件、08年9月8日、ロシア人力士の大麻問題と立て続けに不祥事に見舞われ辞任に追い込まれた。3年半ぶりのトップ就任も公益財団法人問題などが控えるが、あるベテラン親方は「実行力と実績を考えると北の湖親方しか理事長になる人はいない。公益法人制度の改革などを考えても適任だと思う」と話した。

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