東福岡 史上5校目のV3!公式戦79連勝

[ 2012年1月8日 06:00 ]

<東福岡・東海大仰星>3連覇を達成して喜びを爆発させる藤田(左から2人目)ら東福岡フィフティーン

第91回全国高校ラグビー大会最終日 東福岡36―24東海大仰星

(1月7日 花園)
 決勝を行い、Aシードの東福岡がBシードの東海大仰星(大阪第3)を36―24で下し、3大会連続4度目の優勝を果たした。大会3連覇は史上5校目。前半を22―5で折り返した東福岡は、後半2分に7人制日本代表のFB藤田慶和(3年)のトライなどで得点を重ねた。今大会での総得点を292とし、2大会前に同校がマークした274得点の最多記録を更新した。公式戦79連勝(1分けを挟む)など記録ずくめの優勝となった。
【日程&結果】

 優勝旗を手にした藤田の目は潤んでいた。「東福岡でこれで最後なんだというのと優勝してうれしいという思いが入り交じって…。自然と涙が出てきた」。高校入学から公式戦無敗、79連勝(1分け挟む)で勝ち取った栄冠。込み上げるものを抑えきれなかった。

 史上5校目となる3連覇の偉業が懸かった試合でも圧倒的な力を誇示した。「ディフェンスでプレッシャーをかけられたのが良かった」と谷崎監督。前半から前へと圧力をかけ続けて、試合を支配した。鋭い出足に慌てた東海大仰星のミスを誘い、5分と19分のパスカットからトライ。22―5で前半を折り返し、後半2分には藤田が厳しいマークを振り払い、勝利を決定づけるトライを決めた。「勝利を引き寄せられたかな。最後も楽しんで試合ができた」と充実の表情で振り返った。

 今大会での総得点292は、2大会前に東福岡が記録した274得点を塗り替える最多記録。谷崎監督が「無形」と表現する創造的なラグビーの中心で輝き続けたのが藤田だ。昨年11月には7人制日本代表に史上最年少で選出され、セブンズワールドシリーズのオーストラリア大会に出場。ケニア戦で40メートル独走トライを決め、京都・伏見工で花園出場した父・久和さんに「世界に通用したよ!」とうれしさのあまりにメールを送った。世界レベルでつかんだ自信を胸に、今大会も最多8トライを積み上げた。

 谷崎監督は「身体能力は桁外れ」と藤田の将来に期待した。卒業後は早大に進学するが、その先の夢は大きい。南アフリカ共和国、ニュージーランド、オーストラリアの3カ国のチームが争う世界最高峰のリーグ「スーパーラグビー」でプレーすること。「世界レベルのプレーヤーを目指したい」と将来の日本ラグビーを背負って立つ逸材は頼もしい。成長の跡を刻んだ花園から世界の舞台へと飛び出す。

 ◇東福岡 1945年(昭20)に前身の福岡米語義塾が創立。55年に現校名。普通科のみの男子校で生徒数は2232人。ラグビー部は55年に創部され、花園には84年度の第64回大会に初出場し、今回が12年連続22度目。07年度の第87回大会で初優勝した。硬式野球部、サッカー部も全国レベル。主なOBはラグビーの村田亙、プロ野球の村田修一(巨人)、サッカーの長友佑都(インテル・ミラノ)ら。

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