東洋大V4 “山の神”伝説完結!柏原4年連続区間賞

[ 2012年1月3日 06:00 ]

<箱根駅伝往路>No・1ポーズでゴールする東洋大・柏原

第88回箱根駅伝往路

(1月2日 東京・大手町~芦ノ湖=5区間108キロ)
 「新・山の神」柏原がまた伝説をつくった。2年ぶり3度目の総合優勝を狙う東洋大が往路記録を5分5秒更新する5時間24分45秒の驚異的な新記録をマークし、往路4連覇を飾った。トップでタスキを受けた5区の柏原竜二主将(4年)は自身の持つ区間記録を0分29秒更新する1時間16分39秒で快走し、同一区間史上2人目の4年連続区間賞を獲得した。東洋大は2位早大に5分7秒もの大差をつけ、王座奪回へ盤石な態勢を築いた。
【往路結果】

 目の前に敵がいるかどうかは関係ない。4度目の箱根で初めてトップでタスキを受け取った5区の柏原は「(みんなの頑張りが)うれしくて、走る前から涙が出そうだった」と楽しむように高低差864メートルの山道を駆け上がった。

 10キロの通過は区間記録を出した2年前より23秒速いペース。18キロすぎの下りに入ると「転んでもいいから、どんどん攻めよう。1秒でも10秒でも20秒でも削ろうと思った」とさらにペースアップ。後続をぐいぐい引き離した。

一度も後ろを振り返ることなく「最後だし、キャプテンだし、いい格好したかった」と笑顔を浮かべてゴール。1分54秒だった2位早大との差を5分7秒まで広げた。

 大会前に宣言していた通り、初の1時間16分台だ。5区の4年連続区間賞は、74~77年に出場し「山のスペシャリスト」と呼ばれた大久保初男(大東大)以来史上2人目の快挙。昨年史上最小タイム差の21秒差で総合2位に終わった悔しさをバネに「1秒を削り出せ」を合言葉に日々の練習から仲間と競い合ったチームは往路新記録をマークし、記録ずくめの往路4連覇となった。柏原は最後まで山の神だった。

 パンツに貼ったステッカー「がんばろう日本」の思いは誰よりも強かった。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故で故郷の福島は大きな被害を受けた。震災直後は家族とも連絡がつかず、一時は兄弟を寮のある埼玉に呼び寄せた。「どうしていいか分からない」と練習できる状態ではなかった。悩んでいる時にいわき総合高時代の恩師・佐藤修一監督に言われた。「みんなを勇気づけるのはお前にしかできない」。その言葉を胸に最後の箱根を走った。

 「僕の苦しさはたったの1時間ちょっと。福島や東北の方に比べたら全然苦しくない。少しでも勇気が出たと言ってもらえたらいい」

 卒業後は実業団の富士通へ進む。「行くからにはマラソンをやりたい。2時間6分台を狙うつもりでやる」。トラックでロンドン五輪を目指し、来年以降はマラソンに挑戦する意向。最後の箱根は今後の世界挑戦に大きな弾みをつけた。

 「新・山の神」伝説の最終章は3度目の総合優勝。「守るのではなく、攻めていってほしい」。主将が走りでも示したメッセージを胸に、仲間たちがタスキを確実につなげば、最高のフィナーレが待っている。

 ◆柏原 竜二(かしわばら・りゅうじ)1989年(平元)7月13日、福島県いわき市生まれの22歳。内郷一中3年の全中で3000メートル予選落ち、いわき総合高では総体、国体、全国高校駅伝出場なし。今季の日本選手権1万メートルは24位。1万メートルのベストは28分20秒99。4月から富士通入社予定。アニメ好きで、声優の花沢香菜のファン。双子の兄を含む兄4人、妹1人の6人きょうだい。1メートル73、54キロ。

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