東北魂を胸に…仙台育英 被災地へ「勇気と感謝」の1勝

[ 2011年12月29日 06:00 ]

<仙台育英・コザ>前半30分、独走トライをあげる仙台育英・佐々木

全国高校ラグビー1回戦 仙台育英50―12コザ

(12月28日 東大阪市・花園ラグビー場)
 1回戦11試合を行い、東日本大震災で被災した宮城県の仙台育英はコザ(沖縄)から7トライを奪って50―12と快勝した。福島第1原発事故の影響を受けた福島県の磐城は熊本西(熊本)に5―31で敗れた。8月に部員の事故死を乗り越えて出場した秋田中央(秋田)は長崎北陽台(長崎)に19―34で敗れて涙をのんだ。岩手県の黒沢尻工などシード校が登場する2回戦は30日に行われる。

 ジャージーに「東北魂」の文字を入れた仙台育英の選手は勇気と感謝を胸に戦った。高校日本代表候補のSO佐藤実(3年)が左足で繰り出すキックパスからのトライや30メートルのDGも飛び出して快勝。CTB佐々木主将は「被災された方々の代表として戦った。全国の舞台で勝つことが恩返しになる」と胸を張った。

 多賀城市内の校舎は一部損壊し、練習再開は4月27日だった。佐々木主将や佐藤実ら14人は甚大な被害があった県南部の亘理町出身。地元では泥除去のボランティアを行いながら、小さな公園に集まって体を動かした。被災を目の当たりにし「勇気と元気を与えたい」という思いが強くなった。

 全国の仲間からの支援に感謝の気持ちを忘れない。桐蔭学園(神奈川)など11校から110万円の義援金、国学院久我山(東京)からはスパイク約100足が贈られた。佐々木主将は「1カ月半練習ができなくて不安に感じたが、支援で頑張ろうと思った」

 2回戦ではAシードの常翔学園(大阪)と対戦する。同校からは「がんばれ 仙台育英」の激励メッセージ入りの練習用Tシャツをプレゼントされた。丹野博太監督(46)は「常翔さんには助けていただいたので感謝している。勝って恩返ししたい」と誓った。

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2011年12月29日のニュース