連動性+運動量…エディージャパン なでしこを手本

[ 2011年12月27日 06:00 ]

壇上で肩を組むラグビー日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(右)と薫田真広氏アシスタントコーチ

 日本ラグビー協会は26日、次期日本代表ヘッドコーチ(HC)にサントリーのエディー・ジョーンズGM兼監督(51)が就任したことを発表した。ジョーンズ新HCは来年4月から指揮し、任期は15年イングランドW杯終了までの4年間。なでしこジャパンのような連動性と走力あふれるラグビーで世界トップ10入りを誓った。アシスタントコーチは02~06年度に東芝を率いた日本A代表監督の薫田真広氏(45)が就任する。

 約70人の取材陣が駆けつけたラグビー日本代表ヘッドコーチ就任会見で、ジョーンズ新HCは力強く宣言した。「日本代表は世界トップ10入りすることを目指す。日本人選手に合ったジャパンスタイルで戦っていきたい」。現在世界ランクは15位。ジョン・カーワンHC(47)が率いる今年のW杯で1分け3敗に終わった代表チームを、世界的な指導者が決勝トーナメント進出(8チーム)に引き上げる。

 日本代表のイメージはできている。7月にサッカーの女子W杯で世界一に輝いたなでしこジャパンだ。なでしこと準決勝で対戦したスウェーデン代表主将のコメントを引用し「1人が動くと全員動いて見えた。日本ラグビーも同じように強化していく」。世界と比べて体格で劣るなでしこが連動性のあるサッカーを披露したのを模倣し、世界の強豪に挑戦していく構えを示した。

 サントリーでは自陣からでもボールを回し、攻撃を継続するスタイルを徹底させて日本選手権を制した。「ボールを思いっきり大きく動かしていく。外国人を走らせて疲れさせるラグビーをやる。目標は世界一のフィットネス。日本人にはそのポテンシャルがある」。日本代表で目指すのはやはり攻撃ラグビー。日本人の特性である俊敏性と運動量を生かす。

 日本協会の森喜朗会長(74)は「19年W杯日本大会までのレールを敷いてもらいたい。イングランド大会の結果次第で8年間指揮することもあり得る」と長期政権を示唆した。新指揮官は「W杯ではオールブラックスでも全部勝つ」と高らかに宣言。来年3月の日本選手権までサントリーを指揮し、4月上旬から始動。4月28日のアジア5カ国対抗戦カザフスタン戦(アウェー)から代表のタクトを振る。

 ◆エディー・ジョーンズ 1960年1月30日、オーストラリア・タスマニア州生まれの51歳。01年のスーパー12(現スーパー15)ではブランビーズを優勝に導き、同年からオーストラリア代表監督に就任。03年W杯ではチームを準優勝に導き、07年のW杯では優勝した南アフリカのテクニカル・アドバイザーを務めた。昨季からサントリーのGM兼監督に就任。家族は日本人の妻と1女。

続きを表示

2011年12月27日のニュース