遼くん ギリギリ予選クリア「凄く悔しい内容」

[ 2011年12月17日 06:00 ]

<タイ選手権2日目>16番、茂みの中の木の根元から第2打となるリカバリーショットを放つ石川遼だが、打球は再び茂みの中へ

アジアンツアー・タイ選手権第2日

(12月16日 アマタスプリング・カントリークラブ=7453ヤード、パー72)
 ショットの精度を欠いた石川遼(20=パナソニック)が辛うじて予選を通過した。16位から上位を目指したが、3バーディー、6ボギー、1ダブルボギーの77と崩れ、通算3オーバー、147の64位に後退。カットラインぎりぎりで決勝ラウンドに進んだ。首位から出て通算20アンダー、124にスコアを伸ばしたリー・ウェストウッド(38=英国)が36ホールでのアジアンツアーのタイ記録をマークし、独走態勢に入った。

 またしても池にやられた。左サイドに池がある後半の2番。パー5とあってスコアを伸ばしたいはずが、いきなり第1打を“ポチャリ”。続く第3打でフェアウエーに運んだものの、第4打はピン手前6メートルと寄らず、2パットでボギーを叩いた。最終9番もあわや池という左ラフにボールを落とし、石垣で足場が不安定な第2打は出すだけでボギー。通算3オーバーに後退し、午後組の結果を待つヒヤヒヤの展開となった。

 「凄く悔しい内容。コンディションは初日より難しかったけどミスが多かった」。前日は1Wからアイアンまで同じリズムでできたスイングが、この日は乱れた。「良いショットもたくさんあったが、悪い時は体が上下動する。どんな景色であってもどこに何があっても同じスイングができないといけない」。初日も2度池に入れたが、池の視覚的なプレッシャーと強い風への対応という課題がこの日も残った。

 同組のウェストウッドは石川について「技術的には素晴らしい」としながらも「彼は今年33試合戦ったと聞いた。ゴルフに全てをささげているが、自分の経験ではゴルフから離れることも必要」と休養の重要性を説いた。しかし、石川は「試合を減らすと世界ランクにも影響する」と休むつもりはない。20歳で迎えるマスターズのために全身全霊を込めてゴルフに取り組んでいる。

 現在、世界ランクは50位。マスターズの出場権(大会後の世界ランク50位以内)を確保するためには上位進出が必要だが、決勝ラウンドに進んだことで首の皮一枚つながった。「順位への意識はある。20位以内が目標。とにかく上を見て残り2日で初日の順位(16位)まで戻したい」。暗くなるまで練習場で打ち込んだ姿に、巻き返しへの決意がにじんでいた。

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2011年12月17日のニュース