父が引退発表の日に…長女・工藤遥加が逆転初V!

[ 2011年12月10日 06:00 ]

表彰式でトロフィーの重さに驚く工藤遥加

LPGA新人戦加賀電子カップ最終日

(12月9日 千葉県長生郡グレートアイランド倶楽部=6519ヤード、パー72)
 お父さん、元気出して!1打差の2位からスタートした工藤遥加(19=フリー)が5バーディー、4ボギーの71で通算5アンダーとし、逆転でプロ初優勝を飾った。今年のプロテスト合格者20人が出場した新人戦。歴代優勝者に不動裕理や横峯さくらが名を連ねる登竜門を制して非凡な才能を証明。父・公康が引退を発表した同じ日に、頼もしい長女が家族に明るいニュースを届けた。

 父が現役生活の幕を下ろしたその日に、長女は輝くトロフィーを手に新しいスタートを切った。「監督ができそうでできなくなっちゃって凄く落ち込んでたけど、私が頑張ったから元気出してと言いたい」。凍える寒さに震えながらも、温かなメッセージを送った。

 同組の福田と首位で並んで迎えた11番パー4、2・5メートルのチャンスを外した福田に対して工藤のパットは2メートル。「私の方が簡単なライン。ここで入れなきゃ」と勝負どころを感じ取って狙い通りのバーディー奪取。一気に流れを引き寄せた。

 父親とできるだけ一緒にいて、多く会話を交わすためのツールがゴルフだった。それがいつしかプロを目指すようになり、今回初めて手にした賞金は108万円。「自動車教習所のローンを払っちゃいたい。あとはスマートフォンを買いたいな」。無邪気な一面をのぞかせる長女が、いつか一家の大黒柱となる日も来るのかもしれない。

 ◆工藤 遥加(くどう・はるか)1992年(平4)11月18日、埼玉県所沢市生まれ。小4からゴルフを始め、東京・日出高入学後に本格的に取り組む。今年7月のプロテストに9位で一発合格し、今季は2戦出場していずれも予選落ち。夢はプロになって貧困に悩むアフリカの子供たちを助けること。趣味は料理とギター。好きな歌は矢沢永吉「雨のハイウェイ」。5人きょうだい(2男3女)の長女。1メートル71、66キロ。

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2011年12月10日のニュース