内柴容疑者 有罪なら“永久追放”の可能性あり

[ 2011年12月7日 06:00 ]

教え子の柔道部員に対する準強姦の疑いで逮捕された内柴容疑者

 04年アテネ、08年北京両五輪の柔道男子66キロ級を連覇した内柴正人容疑者(33)が6日、九州看護福祉大(熊本県玉名市)の客員教授だった今年9月に教え子の未成年女子柔道部員を乱暴したとして、警視庁に準強姦(ごうかん)の疑いで逮捕された。

 これを受け、全日本柔道連盟(全柔連)の上村春樹会長(60)が都内で緊急会見。裁判の経緯を見極めた上で、会員登録の抹消を含む処分を検討することを示唆。過去6人しかいない五輪連覇の柔道家が“永久追放”となる可能性も出てきた。

 内柴容疑者は9月19日夜、柔道部の遠征で訪れていた都内で、未成年の教え子ら数人と飲食店などで酒を飲み、深夜から未明にかけて宿泊先のホテルで乱暴した疑い。

 当該部員からの被害届を受けて捜査していた警視庁捜査1課がこの日、都内で内柴容疑者を逮捕。午後には熊本県玉名市の自宅を家宅捜索した。

 捜査関係者は、泥酔した教え子の介抱を装って客室に送り届けた際に、指導者の立場を悪用して乱暴した疑いがあるという。今後は容疑の裏付けを進めるとともに、他の部員に対しても不適切な行為をしていなかったか調べる。捜査1課によると、内柴容疑者は「納得いかない。合意だった」と容疑を否認しているという。

 日本オリンピック委員会(JOC)も「過去に聞いたことがない」という五輪金メダリストの逮捕という非常事態に、全柔連も即座に反応した。この日、上村春樹会長は、東京都文京区の講道館で緊急会見。「柔道の指導者としてというより、人間としてあってはならないこと。五輪連覇という、柔道界でも数少ないメダリストが逮捕されるということは、非常に残念で遺憾に思う」と厳しい表情を浮かべた。

 先月29日に内柴容疑者を懲戒解雇した九州看護福祉大側からは、報告書が提出されていた。目を通したという上村会長は、警察の捜査や裁判の行方を見守るとし「結果として(準強姦が)事実なら、処分を検討することになる」と断言。有罪判決を受けた場合は、総務委員会内に懲罰委員会を設置することを示唆し「(講道館の)会員資格剥奪や(全柔連の)登録抹消ということもあるかもしれない」と話した。

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