白鵬 双葉山生誕地で雲竜型初披露「これが最後」

[ 2011年12月5日 06:00 ]

雲竜型の横綱土俵入りを披露する白鵬(右)

 大相撲の横綱・白鵬が4日、双葉山の生誕地である大分県宇佐市内の国宝・宇佐神宮で、本来の不知火型ではなく双葉山の雲竜型を披露した。

 今回の企画は双葉山生誕100年記念イベントの一環。「双葉関の凄さは誰よりも知っている」と自負する白鵬は出番直前まで「iPad」で双葉山の土俵入りを確認した。結び目が一つの雲竜型の綱を締め、冒頭部分を淡々と動く双葉山流で、せり上がりは腰をしっかり落とした自己流で披露。宇佐神宮での土俵入りは1938年の双葉山以来2人目で、過去に2つの型を披露したのは71年の巡業中に急病で帰京した玉の海の代わりに不知火型を行った北の富士だけ。「一生忘れられない。これが最後だと思う」と本人は今回限りを強調したが、駆けつけた横審の沢村田之助委員(歌舞伎俳優)は「(不知火型と)1日交代でやってほしい。そのくらいのファンサービスがあっても」と本場所での二刀流を提案した。

 ▼雲竜型と不知火型 大きな違いは、横綱土俵入りの見せ場である“せり上がり”の方法にある。両腕を左右に伸ばして積極的な攻めを表現する不知火型に対し、雲竜型は右手を伸ばしながら左手を脇腹に当て、攻めと守りの両方を表現する。綱の結び方は、不知火型は輪が2つで、雲竜型は輪が1つ。最近は一門の意向なども反映されるため、白鵬は所属の宮城野部屋を再興した第43代横綱・吉葉山にならって不知火型を選んでいる。

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2011年12月5日のニュース