さえたアプローチ!遼、松山うならせ首位浮上!

[ 2011年12月3日 06:00 ]

17番、右ラフの斜面から2打目を放ち打球を見つめる石川遼

男子ゴルフツアー・日本シリーズJTカップ第2日

(12月2日 東京・東京よみうりCC=7016ヤード、パー70)
 石川遼(20=パナソニック)が“石松対決”を制して首位に浮上した。同学年のライバル、松山英樹(19=東北福祉大2年)と同組で回り、5バーディー、2ボギーの67で通算5アンダー。ショットの乱れを松山もうならせた小技でカバーし、5度目の出場となる今大会で初めての首位に立った。谷口徹(43=フリー)が首位に並び、藤田寛之(42=葛城GC)らが通算4アンダーで続いている。

 首位に立った選手の余裕や手応えは石川にはなかった。気温5度にも満たないような極寒の18ホールを終えた後、さらに練習場で約1時間の打ち込み。日は暮れかかり、引き揚げたのは出場選手で一番最後だった。

 「これまでと変わらない感じで、良かったり悪かったりでした」。出だしの1番から1Wで右の崖下に落とし、6番パー5ではあわやOBという左へのミスも出た。ティーショットにはまだ不安定さが漂い、寒さゆえにアイアンの距離感にも苦しんだ。

 そんな石川を救ったのはアプローチだった。グリーンを外したホールは、ほとんど1メートル以内に寄せて楽々パーを拾っていった。9番ではニアサイドのピンに対して、グリーン手前でワンクッションを入れて1メートルに。ピンが2段グリーンの上の段にあった10番では、SWのロフトを「PWぐらいに立てて」転がし寄せた。1・5メートルのパーパットは外したが、アプローチはイメージ通りだった。

 「これだけいい状態をキープできてるのは初めて」というアプローチ開眼のきっかけは、2週間前のプレジデンツ・カップにあった。特に印象に残ったのが、偶然目にしたタイガー・ウッズのスタート直前のアプローチ練習。感触を確かめる程度に3球打っただけだったが、それが全て「同じ高さ、スピン量で、同じ場所」に落ちた。「あれができるのはタイガーだけ。しびれました」と世界最高峰の技術に石川の感性は大いに刺激された。

 豊富なイメージとそれを実践する技術。同組の松山を「自分が遼と同じ状況だったら1回もパーを拾えてないと思う」と脱帽させた。ライバルとは「また最終日に最終組で一緒に回ろう」と誓い合って握手を交わした石川。「ここからの半分の方が道のりは長い。きょうの順位は全く気にしていない」。ショートゲームでスコアを支えながら、不安定なショットを立て直す。それができれば、優勝の二文字も現実味を帯びてくる。

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2011年12月3日のニュース