東京五輪ゴルフ会場に“ゴミ埋め立てた”「夢の島」浮上

[ 2011年12月1日 06:00 ]

07年6月、若洲ゴルフリンクスで行われた関東高校ゴルフ選手権東京予選でプレーする石川

 東京が招致を目指している2020年夏季五輪のゴルフ会場候補に東京都江東区の若洲ゴルフリンクスが浮上していることが30日、分かった。東京招致委員会は、来年2月に国際オリンピック委員会(IOC)へ開催計画をまとめた申請ファイルを提出するが、12月中に全競技の実施会場などを決定する方針。石川遼(20=パナソニック)も高校時代にプレーしたことのある「若洲」が夢の大舞台となる可能性が出てきた。

 16年リオデジャネイロ五輪から112年ぶりに正式競技として復帰が決まったゴルフ。東京が落選した16年五輪の開催計画には、当時実施予定になかったゴルフ会場は含まれていなかった。しかし、再び開催地に名乗りを上げた20年五輪へ向け、東京招致委員会は新たに会場を選定することになり、若洲の名前が浮上してきた。

 関係者は「選手村から目と鼻の先にある立地条件と東京都が所有していることが大きい」と若洲支持の声が強いことを明かした。東京近郊には名門ゴルフクラブも多いが、中央区晴海に予定されている選手村から50キロ以上離れた場合、ルール上、別の宿泊施設を準備しなければいけない。5キロ圏の若洲であれば、アピールポイントの「コンパクト五輪」にかなう。また、東京都が所有しているためコース改造や周辺施設の利用の融通がつけやすい。さらに、五輪が開催される真夏でも海風があるため、暑さに弱い洋芝グリーンの管理をしやすいメリットもある。

 申請ファイルの提出期限は2月15日。東京招致委員会の水野正人専務理事は「12月中には全てまとめなければいけない」と年内に全競技会場を決める方針だ。若洲は過去に男女のプロトーナメントも開催されており、石川が杉並学院高1年の時には、関東高校選手権東京都予選でプレーしたこともある。埋め立てによる「夢の島」が、世界のスターが集う五輪の夢舞台になるかもしれない。

 ▽若洲ゴルフリンクス 生ゴミ等の廃棄物で埋め立てられた造成地を55億円かけて整備し、1990年12月に開場。三方を海に囲まれたシーサイドコース。過去に男子ツアーのポカリスエットよみうりオープン(96年)、女子ツアーのイエローハット東京レディース(96~98年)などを開催。6906ヤード、パー72。住所は東京都江東区若洲3の1の2。

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2011年12月1日のニュース