愛は勝つ?!高山“妻の言いつけ”守って今季2勝目

[ 2011年11月28日 06:00 ]

優勝トロフィーを手に笑顔を見せる高山と妻・梢さん

カシオ・ワールドオープン最終日

(11月27日 高知・Kochi黒潮CC=7280ヤード、パー72)
 1打差の首位で出た高山忠洋(33=法仙坊GC)が、68をマークして通算15アンダーで逃げ切り、今季2勝目となる通算5勝目を挙げた。初優勝を狙った宮里優作(31=フリー)は終盤17番のボギーが響き、2打差の2位に終わった。石川遼(20=パナソニック)は、68で通算6アンダーの11位。最終戦を残してベ・サンムン(25=韓国)の初の賞金王が確定した。
【最終R成績】

 優勝を決めた高山は、18番グリーン脇で妻・梢さん(30)を抱きしめた。ゴルフ界きってのおしどり夫婦の開幕戦以来、今季2度目の抱擁シーンだった。

 「呪縛から解放された気分です。ショットの調子が良くなく、不安の方が大きかった」

 妻の言いつけを守り、宮里優とのしびれるマッチレースを戦った。今コースの終盤のホールはギャラリーバスが近くを通るため通行音が耳に障る。前夜、「気になるんだよ」とボヤいたところ、妻にピシャリと返された。「自分のペースで。気になったら、アドレスを仕切り直しなさい」

 17番はカラーからの8メートルのパットを2度仕切り直した後、慎重に寄せてパーとした。宮里優がボギーを叩き、残り1ホールで1打リードすると、18番は圧巻のフィニッシュ。263ヤードの第2打を3Wで1メートルにつけイーグルで逃げ切った。「最後はビシっと決めて」という妻の願いをかなえる締めくくりだった。

 09年6月に結婚した後、2人でツアーを転戦する。「手綱を締めてます」と冗談交じりに語る3歳下の妻は食事管理だけでなく、近頃はスイングの変調まで見抜けるようになったという。結婚後はこれで3勝。コース内外でのサポートに、愛妻家は「忘れてはいけない存在」と感謝しきりだ。

 03年に発症した左手首の腱しょう炎に今も苦しむ。前週は体調不良に加えて、持病から来る左手小指のしびれが重なり棄権していた。そんな苦境をはね返し、今季日本人初の複数優勝で、賞金ランクでも石川を抜いて2位に浮上した。最終戦の日本シリーズ(12月1日開幕、東京よみうりCC)には初の賞金王を決めたベ・サンムンは欠場するが、「(彼の)3勝に並びたい」と年間最多勝を目標に挑む

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