“横綱級存在感”だ!内村 W杯個人総合V

[ 2011年11月28日 06:00 ]

優勝した内村(右)は降り注ぐ金のテープをわしづかみ!

体操W杯シリーズ東京大会最終日

(11月27日 両国国技館)
 大相撲の聖地で圧倒的な強さを見せつけた。男子個人総合が行われ、内村航平(22=コナミ)が93・565点で優勝した。3連覇を達成した10月の世界選手権でマークした国際大会世界最高得点の93・631点にはわずかに及ばなかったが、2位のフィリップ・ボイ(24=ドイツ)に3・467点の大差をつけてW杯の個人総合で初優勝。大目標の12年ロンドン五輪へ、敵は見当たらない。

 体操界の“大横綱”にライバルなんて存在しない。大相撲の聖地で、体重54キロの内村が圧倒的な存在感を見せつけた。10月の世界選手権の93・631点に迫る93・565点で圧勝。同選手権では2位・ボイに3・101点差だったが、今大会でその差は3・467点に開いた。圧巻の個人総合18連勝。白星街道をひた走る22歳は、「(国技館で)違う雰囲気でできて良かった。凄く楽しかった」と笑みを浮かべた。

 世界選手権を含めて今季7大会目。疲労は抜けずモチベーションも上がらない中、「やるからにはミスなくいい演技をしよう」と自らを奮い立たせた。床運動、つり輪、跳馬、平行棒で1位。あん馬と鉄棒も2位と抜群の安定感だ。個人総合の鉄棒では、これまでE難度だった離れ技をG難度に。鉄棒から手を離すまでの力加減がG難度の技の方が簡単という、内村にしかあり得ない理由での変更だった。

 体操初開催の両国国技館は空調が効きすぎて肌寒い状況だったが、いつもよりウオーミングアップを多く行うなど冷静に対処。「自分で(体を)動かしていかないとミスすると思った」。全種目で着地がやや乱れ、「ボクの代名詞の着地を1つも止められなくて残念」と振り返ったが、出来栄えを示す実施点は平行棒以外の5種目で9点台をマークした。

 今季は種目別で争われる12月10、11日の豊田国際で千秋楽を迎える。年末年始も長崎の実家に帰省せず、日々稽古で精進する予定だ。「(来年は)細かい部分の修正と、着地は目をつぶってでも止まる完成度にしたい」。ロンドン五輪という“結びの一番”へ、最強王者は待ったなしで突き進む。

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2011年11月28日のニュース