白鵬 「後の先」の立ち合いで圧勝!単独トップ

[ 2011年11月23日 06:00 ]

寄り切りで鶴竜を下した白鵬(左)

大相撲九州場所10日目

(11月22日 福岡国際センター)
 白鵬が鶴竜を力強く寄り切り単独トップに立った。尊敬する双葉山の代名詞でもある「後の先」の立ち合いでモンゴルの後輩を圧倒。全勝で並んでいた琴奨菊が敗れたため、21度目の優勝に向けて10日目にして“指定席”に座った。優勝争いは1敗の琴奨菊、2敗の稀勢の里、若荒雄が白鵬を追う展開となった。
【取組結果】

 前人未到の69連勝を記録した双葉山が、極めたとされる「後の先」の立ち合い。この日の白鵬は、その憧れの大横綱の取り口を実感した。

 左手を前に出しながら遅れ気味に立ち、鶴竜に攻める気にさせ、それを逆手に取った。相手が左上手を取ろうとして脇が空いたところを狙い通りに右を差し、そのまま一気に寄り切った。

 「自分は後の先で立った。そういう相撲。ばっちり決まりました。こうだろうなと自分の中で感じつつある」。“後の先”とは、出遅れたように見えながら組んだ時には先手を取っている立ち合いのこと。モンゴルの後輩に初顔から20連勝を飾り、一昨年から研究してきた伝説の技の体得に手応えを感じているようだった。

 場所後の12月4日には「双葉山生誕100年記念イベント」の一環で、生誕地である大分県宇佐市内の国宝・宇佐神宮で奉納土俵入りを行う。本来は「不知火(しらぬい)型」の白鵬が、双葉山の「雲竜型」で土俵入りすることも決まった。既に放駒理事長(元大関・魁傑)も了承しており、綱も後ろが一つの輪になる雲竜型タイプを準備するという。

 優勝争いでは9日目まで首位に並んでいた琴奨菊が敗れ、単独トップに立った。きょう11日目には大関獲りの稀勢の里の挑戦を受ける。「今後は引っ張る立場。いい相撲を取る。それしかない」。大きな目標もある。今場所9回目の全勝優勝を果たせば、双葉山らを抜いて単独1位となる。双葉山の「雲龍型」を披露する前にまずは記録更新に挑む。

 ▼雲龍型と不知火型 2つの型の違いは、横綱土俵入りの見せ場である“せり上がり”。両腕を左右に伸ばして積極的な攻めを表現する不知火型に対し、雲竜型は右手を伸ばしながら左手を脇腹に当て、攻めと守りの両方を表現。雲龍型は第10代横綱・雲龍久吉の土俵入りの型を、不知火型は第11代横綱・不知火光右衛門の型を踏襲したものといわれる。綱の結び方は不知火型は輪が2つで、雲龍型は輪が1つ。

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2011年11月23日のニュース