飯島今季初の首位 変則グリップでパットの安定感増す

[ 2011年11月5日 06:00 ]

1番、ティーショットを放つ飯島

スポニチ主催USLPGAツアー・ミズノクラシック第1日

(11月4日 三重県志摩市 近鉄賢島カンツリークラブ=6506ヤード、パー72)
 主催のミズノと契約を結ぶホステスプロの飯島茜(28=TOTO)が今季初の首位に立った。セルヒオ・ガルシアやクリス・ディマルコら海外のトップ選手を参考にした「クロー・グリップ」を取り入れ、不調だったパッティングが改善。6バーディー、ノーボギーの66をマークし、今季初優勝に向けて最高のスタートを切った。同じくホステスプロのステーシー・ルイス(26=米国)も4アンダーの5位と好位置につけた。

 運やまぐれじゃないという自信がある。苦労と練習が実った好スコア。「積み重ねてきたものがコースで結果になった。いつも入ってくれなかったチャンスが決まった」。ぎりぎりで出場権を得たとは思えない飯島の堂々としたプレー、6バーディーを奪い堂々の首位発進だった。

 ミズノクラシックの出場資格は3週前の富士通レディース終了時の賞金ランク上位35人に与えられる。ミズノの看板プロながら、飯島はそれまで賞金ランク40位に低迷していた。「さすがに出られなかったらヤバいなと思って死ぬ気で頑張った」と同大会では8位に食い込んでランク36位まで上昇。米ツアーとの資格重複者がいたため、どうにか出場権を勝ち取ることができた。

 復調のきっかけは、ちょうど富士通レディースの頃に始めた練習で、パットの時に右手の握り方を「クロー・グリップ」に替えたことだ。ガルシアやメジャーでも活躍したディマルコのスタイルとは知っていたが、決してポピュラーな型ではない。それでも周囲の勧めに、わらにもすがる思いで取り組んだ。

 左手は普通のグリップと同じ。右手の握り方はいくつかバリエーションがあるが、通常は右手のひらで包み込むように握るところを、飯島は右指を伸ばして手のひらと親指で挟み込むように持つ。「小細工せずに打てるし、緩みがなくなって転がりがよくなった」。ラウンド前後の練習やプレーの合間にクロー・グリップで素振りして、ラウンドでは普段のクロスハンドで打つ。おかげで手先の無駄な動きが省かれ、安定感が増した。

 積み重ねた苦労がようやくかみ合い、この日は2メートル前後のバーディーチャンスが次々に決まって11番から3連続バーディー。4番や15番では6メートルのパットも決めてさらにスコアを伸ばした。昨年は2勝を挙げたが、今季は未勝利。「残り試合は少ないけど優勝はしたい」。その舞台はホステスプロの重責を担う今大会が一番ふさわしい。

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2011年11月5日のニュース