松山 逆転連覇でマスターズ切符日本人一番乗り

[ 2011年10月3日 06:00 ]

優勝カップを手に笑顔の松山

アジアアマチュア選手権最終日

(10月2日 シンガポール・アイランド・カントリークラブ・ニューコース=7136ヤード、パー72)
 松山英樹(19=東北福祉大)が1打差2位からスタートすると、ボギーなしの5バーディー、67をマーク。通算18アンダー、270で逆転で連覇を飾った。優勝者に来年のマスターズ(4月5日開幕、米ジョージア州)出場資格が与えられるため、2年連続、日本人一番乗りでマスターズ出場を決めた。

 20センチのウイニングパットを沈めると、松山は右手で力強いガッツポーズを見せた。追い上げてきた韓国のイ・スンミンを振り切って連覇。「苦しいながらも勝てて、とてもうれしい」。蒸し暑いシンガポールでの激闘を制し、笑顔がはじけた。

 1打差の2位から出ると1番のバーディーで早々に首位に並んだ。その後、8番からの連続バーディーなどで単独トップに立った。11番の時点で1組前のイ・スンミンに並ばれたものの、直後の12番のバーディーで突き放すと、16番のバーディーで2打差をつけて、最後は1打差ながら逃げ切った。「18番のファーストパットを20センチにつけることができて、そこでやっとホッとした」と接戦を振り返った。

 今年のマスターズで27位となりベストアマに輝いた。「マスターズの舞台を知ったからこそ連覇へのプレッシャーがあった。正直、トップに立ってから後半のハーフでは足が震えていた」。それでも、崩れなかったのは「もう一度あの舞台に戻りたい」という思いと技術的な裏付けがあったからだ。

 7月に調子を落とした。持ち前の向上心から練習しすぎてスイングが狂った。松山から相談を受けた父・幹男さんは「姿勢が崩れているし、トップの位置もずれている」と指摘。「練習場だけではダメ。ラウンドが大事」とアドバイスをもらった松山は本来のスイングを取り戻し、8月のアジア大会、日本学生選手権を制した。この日、松山の活躍を伝え聞いた幹男さんは「デッドヒートだったようですが、マスターズに出たいという気持ちが勝ったんでしょう」と息子を称えた。

 今年のマスターズでは被災地への思いを胸にプレーし旋風を巻き起こした。被災地の学生として復興を願う気持ちは今も変わらない。「来年のマスターズではどうやったら通用するか、何が自分には足りないのか。あしたから一日一日を無駄にせずトレーニングしていきたい」。ライバルの石川より一足早くつかんだ夢舞台。挑戦の日まで走り続けることを誓った。

 ▽松山のマスターズVTR アジアアマ優勝で得た資格で、日本人アマ初の大会出場を果たす。通算1オーバーの43位で日本人最年少での予選通過を果たすと、3日目に68と爆発して18位に浮上。最後は通算1アンダーの27位でベストアマに輝いた。日本人で初めてマスターズの表彰式に出席し、「被災地はまだ大変ではありますが、マスターズでのプレーが少しでも希望と喜びを与えられたと思います。オーガスタの皆さんに感謝します」とスピーチした。

続きを表示

この記事のフォト

2011年10月3日のニュース