伊藤 4冠も浮つきなし「修正点はたくさん」

[ 2011年10月3日 06:00 ]

 スピードスケート・ショートトラックの全日本距離別選手権最終日は2日、長野・帝産アイススケートトレーニングセンターで行われ、女子1000メートルは伊藤亜由子(トヨタ自動車)が1分36秒201で優勝した。伊藤は今大会から正式種目となった1000メートル追い抜きも1分29秒643で勝ち、前日の500メートル、1500メートルと合わせ全4種目を制覇した。昨年2冠の桜井美馬(早大)は1種目も勝てなかった。男子1000メートルは高御堂雄三(トヨタ自動車)が大会新の1分25秒875で制し、500メートルとの2冠。同1000メートル追い抜きは上村大輔(ミナトSCC)が1分25秒544で勝った。

 女子の伊藤は1000メートルで酒井に競り勝つと、同追い抜きではただ一人1分30秒を切った。だが、4冠にも「修正点はたくさんある。世界でどれくらい戦えるかが大事」と浮ついた様子はなかった。バンクーバー冬季五輪で惨敗し「ソチ五輪で悔いのない結果を残したい」と一から鍛え直した。小寺コーチは「辞めると言いだすんじゃないかと思うほど追い込んだ」と振り返る。今大会は精神面やレース運びでも成長の跡を見せ、柏原強化部長も「本来の力をレースに出せるようになった」と今後に期待した。

 ≪桜井まさかの無冠に「恥ずかしい」≫前回大会で女子2種目を制したバンクーバー冬季五輪代表の桜井がまさかの無冠。W杯代表を逃し「恥ずかしい結果。自分を見つめ直したい」とうつむいた。新調したスケート靴が合わなかったことが原因でカーブをうまく回れなかった。体調は問題ないそうで「靴が合わなくても勝てるレースをしないと」と出直しを誓った。

 ≪高御堂 借り返すV≫前日の男子1500メートルで桜井に敗れた高御堂が、1000メートルで借りを返した。2周目でトップに立つと桜井の追い上げをかわしてゴール。「本当は1500でも勝ちたかった」と急激に力をつけてきたライバルへの対抗心を見せた。短い距離にも対応できるように、今夏は筋力トレーニングなどで瞬発力を鍛えた。500メートルとの2冠に成果が表れたが「国内では全部の距離でトップに立ち、海外では(得意の)1500で勝負したい」と満足はしていなかった。

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2011年10月3日のニュース