琴奨菊 初Vならず…地元・九州場所で大関初V誓う

[ 2011年9月26日 06:00 ]

<大相撲秋場所・千秋楽>把瑠都(右)に上手投げで敗れ優勝を逃した琴奨菊

大相撲秋場所千秋楽

(9月25日 両国国技館)
 負け残りの東の控えで白鵬の優勝を見届けた。06年初場所の栃東以来の日本人の優勝を逃した琴奨菊は口を真一文字に結んで花道を引き揚げた。

 勝てば最低でも優勝決定戦に持ち込めた結び前の大関・把瑠都戦。もろ差しになれず肩越しに右上手をがっちりつかまれた。それでも得意の左四つ。「なかなか上手が切れない」とじれたように強引に出たが、上手投げで土俵下へ転がされた。

 「いろんな経験をして強くなっていく。この悔しさを次にぶつけたい」。この日は故郷の福岡県柳川市から両親と後援会関係者が駆けつけ、明徳義塾中、高時代の恩師・浜村敏之氏も姿を見せた。周囲の期待に応えられずに表情を硬くした。

 3敗目を喫して優勝を逃したが、支度部屋には待ち望んだ知らせが届いた。この日の午前中、貴乃花審判部長(元横綱、スポニチ本紙評論家)は審判部の会議を開き、放駒理事長(元大関・魁傑)に大関昇進を諮る理事会(28日)開催を要請することを満場一致で決めた。理事長も受諾したことで、07年名古屋場所の琴光喜以来4年ぶりの日本人大関が誕生することになった。「大関はとてつもない地位。光喜関のうれしそうな顔を覚えている」。琴奨菊は部屋の先輩の顔を思い浮かべ、同じように頬を緩めた。

 千秋楽のパーティー会場に向かう際、紋付きを留める玉付きひもを大事そうに取り出して身につけた。琴風(現尾車親方)、琴錦(現秀ノ山親方)、琴光喜と佐渡ケ嶽部屋の名力士に受け継がれてきたもので、大関獲りの名古屋場所前に元琴光喜の田宮啓司氏から渡された。名古屋では終盤に平幕に連敗して昇進はならなかったが、失敗を糧に先輩の期待に応えた。

 「もっと稽古して、前に出る相撲で地元を盛り上げたい」。ご当地の九州場所では秋場所で達成できなかった優勝の“リベンジ”を狙う。

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2011年9月26日のニュース