白鵬9連勝で単独トップ!20度Vで部屋継承だ

[ 2011年9月20日 06:00 ]

秋場所9日目、栃ノ心(右)を寄り切りで破った白鵬

大相撲秋場所9日目

(9月19日 両国国技館)
 白鵬が栃ノ心を万全の構えで寄り切り、初日からの連勝を9に伸ばした。首位に並んでいた稀勢の里が把瑠都に敗れ単独トップとなった。一代年寄取得の目安とされる区切りの20度目の優勝に向け、横綱のエンジンがかかってきた。稀勢の里、琴奨菊、臥牙丸が1敗で横綱を追走している。

 白鵬があっさり単独トップの“指定席”に着いた。取組前に稀勢の里が敗れ、館内に“波乱”のムードも漂ったが、栃ノ心の前まわしを引きつけながら危なげなく寄り切り。「引っ張る立場になりましたから、最後まで引っ張っていけるように頑張ります」と自信満々に話した。

 区切りの20度目の優勝に向け着実に前進する愛弟子を、師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)も力強く後押しする。この日の朝、部屋の継承について師匠は「(白鵬が一代年寄を取得すれば)僕が代わって(部屋付きになって)もいい。横綱にいい子を育ててもらえるように、いい子を探してこないと」と話した。引退後にしこ名のまま親方になれる「一代年寄」を与えられた力士は過去に大鵬(優勝32回)、北の湖(24回)、千代の富士(31回)=辞退、貴乃花(22回)の4人だけ。20回以上の優勝が一つの目安となるだけに、大台に届けばその取得も現実味を帯びてくる。来年にはV20を記念したパーティーを開くことも計画中だ。

 発奮材料もある。この日、不滅の69連勝の記録を持つ双葉山の出身地の大分県宇佐市の是永修治市長が両国国技館で会見し、江戸時代の谷風と白鵬(ともに63連勝)を加えた3人を顕彰する「超60連勝碑」を双葉山の記念館「双葉の里」(宇佐市)に建立することを発表した。来年2月9日の生誕100年記念事業の一環で、12月3日の除幕式には白鵬も出席。同4日には宇佐神宮で双葉山以来73年ぶりとなる土俵入りを行うことも決まった。場所直前の7日には東京都目黒区の「ギャラリーコスモス」を訪れ、写真展「名横綱 双葉山定次物語」を鑑賞し大いに刺激を受けた。

 取組後、白鵬は1敗に後退した稀勢の里について「よく頑張ったということ」と話した。そこには主役の座は譲らないという強烈なプライドが見え隠れした。

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2011年9月20日のニュース