井上“3度目の正直”初の銅メダル獲得

[ 2011年9月18日 06:00 ]

女子67キロ級で銅メダルを獲得し、笑顔の井上佳子

レスリング世界選手権第5日 女子67キロ級

(9月16日 トルコ・イスタンブール)
 女子67キロ級の井上佳子(23=クリナップ)が3位決定戦でウクライナ選手を破り、3度目の出場で初のメダルを獲得した。女子は7階級全てを終了し、日本は2年連続17度目の総合優勝。しかし、五輪階級の72キロ級で浜口京子(33=ジャパンビバレッジ)が出場権を逃し、今後の対応を迫られることになった。

 最後は闘志だけで前に出た。2ピリオドとも相手を場外に出して1―0で勝利。3度目の出場、3度目の3位決定戦で初勝利した井上は「やっぱりメダルがあるのとないのとでは違う。これまでは気持ちが弱かったんだな、とあらためて思った」と安どの表情を浮かべた。

 至学館大卒業後の今年4月、福島・いわき市の工場を拠点とするクリナップに入社。東日本大震災で被災した地元は縁遠い街だったが、工場で働く人たちに応援されることで「何とかいい報告をしたい」という思いが芽生えたという。過去2度とは違う結果は、被災者への恩返しでもあった。

 今後は五輪階級の72キロ級への転向も視野に入れる。「試合を見てると本当に強い人ばかり。私はようやく銅メダルなので、じっくり考えたい」と明言は避けたが、浜口のライバルとして期待は高まりそうだ。

 ≪ロンドンでも3階級で金獲れる≫女子は五輪実施の4階級中3階級を制覇。栄和人監督は「小原が勝ってくれたことで48キロ級もロンドンで金メダルの可能性が高まった。3階級(金メダルが)獲れる」と自信を口にした。一方で、来年3月のアジア予選女子72キロ級には今大会で出場枠を確保できなかった北京五輪金メダルの王嬌(中国)も出場する見込みで、浜口は厳しい戦いとなる。同監督は「攻めると硬くなったり、守るとミスが出たり、戦いが一貫していない。強化策を練りたい」と危機感をあらわにした。

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2011年9月18日のニュース