誠道16歳V見えた!元カノからのメールもキター!

[ 2011年9月18日 06:00 ]

16番、長いバーディーパットを決めた伊藤誠道はガッツポーズ

ANAオープン第3日

(9月17日 北海道・札幌GC輪厚コース=7063ヤード、パー72)
 遼くん以来の高校生Vに王手をかけた。アマチュアで初めて首位で予選を通過した伊藤誠道(16=東京・杉並学院高1年)はこの日も4バーディー、1ボギーの69とスコアを伸ばして通算12アンダー。カート・バーンズ(30=オーストラリア)と並んで首位を守った。アマチュアが首位で最終日を迎えるのも、2日連続でトップに立つのも99年のツアー機構設立以降では初めてのこと。石川に次ぐツアー歴代2位となる年少優勝への期待が大きく膨らんできた。
【第3R成績】

 たとえばテレビにかっこよく映ったかどうか。少年の自尊心はそんな部分で満たされる。伊藤にとっては16番パー3のバーディーがそうだった。

 「完璧なライン、完璧なタッチ、完璧尽くしのパット。あれが一番かっこよかった。友達に録画してもらってるんで、見られるのがうれしい」

 前夜、電話をかけてきたゴルフ部の親友に録画を頼んだ。その映像には、2段グリーンの上の段から15メートルのパットを沈め、派手に右手を突き上げる自分の姿が残っているはず。「自分を見るのが好きなんで」と伊藤は照れくさそうに笑った。

 初めての最終組でも粘り強いプレーで首位を死守した。バーディー発進しながら、5番パー5で2オンから3パットして流れが悪くなった。7番パー4では難しいアプローチを残して今大会初ボギー。その後もピンチが続いた。並の選手なら崩れてもおかしくない展開。そこで立て直せるのが伊藤の非凡さだ。

 12番パー5もティーショットは左の林へ。「何を力んでるんだろう。勝てるわけないのに」と冷静さを取り戻すと、フェアウエーに出してからの第3打は残り約80ヤード。AWで軽めに振り抜いて1メートルにぴたり。悪い流れを断ち切った。

 ホールアウト後、練習グリーンの脇には携帯電話を手にやけにニヤつく伊藤の姿があった。「昔の彼女からメールが来ました。“頑張ってるみたいじゃん”ってチョー上から目線なんですけど」と文句を言いつつも、やっぱりうれしかった。

 07年5月、石川遼が高1で優勝した時、小6だった伊藤は試合からの帰りの電車でワンセグにくぎ付けになっていた。4年がたち、ワンセグの向こうに見ていた場所に自分が立つ。「もちろんやるからには狙っていきます」。全国のジュニアゴルファーが今度は伊藤を見つめている。

 ▼石川遼の初優勝 マンシングウェアKSBカップ(07年5月18~20日)は第1日が悪天候で中止となったため3日間で行われた。当時アマチュアの石川は第2ラウンドを終えた時点では通算3アンダーで7打差の23位だったが、36ホールで行われた最終日に12バーディー(3ボギー)と猛チャージ。通算12アンダーまでスコアを伸ばし、15歳245日の史上最年少優勝を飾った。

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