カーワンジャパン 現地ブックメーカー最低人気に発奮

[ 2011年9月8日 06:00 ]

ラグビーW杯開幕に向けて練習する日本代表の北川(左)

 ラグビーの第7回W杯ニュージーランド大会は9日にニュージーランド―トンガ戦で開幕する。1次リーグ初戦(10日)で世界ランク4位のフランスと対戦する同13位の日本は7日、合宿地の同国北島シルバーデールで終了20分前まで非公開練習を実施。準優勝2度の強敵を撃破するためラインスピードと秘策のサインプレーを徹底させた。日本は現地のブックメーカーで1次リーグA組5チームで最低人気の屈辱を晴らすべく、フランス戦で金星を目指す。

 普段は温厚なロック北川俊澄(30)が約2時間の練習後、珍しく興奮して顔を紅潮させていた。取材陣から現地のブックメーカー「TAB」で日本がA組最低人気を伝えられた時だ。「えっ、そうなんですか。それは周りが勝手に評価しているだけなんで、試合後に(実力が)分かると思いますよ」。チームはW杯初戦3日前でまだリラックスムードだったが、北川は周囲の評価を覆すために自然とスイッチが入っていた。

 ジョン・カーワン・ヘッドコーチ(46)は今大会で初の決勝トーナメントを狙う。1次リーグを勝ち抜けるのは5チーム中2チーム。しかし、旧英国領でギャンブルが盛んなニュージーランドで日本の人気は低い。TABのA組の勝ち抜けオッズは、1倍以下のニュージーランドを除き、フランスは1・03倍、カナダとトンガは25倍、日本は最低の100倍となっている。

 北川はW杯で結果を残すため「初戦で勢いをつけることが大事になる」とフランス戦の戦い方を重要視した。対戦成績は8戦全敗。しかし、この日の練習で強豪を破るための準備をしっかり確認していた。練習は大半が非公開だったが、SH日和佐篤(24)は「きょうは今までやってきたことの上乗せをした。ラインスピードであったり、まだ皆さんにお見せしていないサインプレーを確認した」と話した。

 日本は大柄のフランスに対抗するため、スピードが武器になる。攻撃ではボールを大きく横に振り、サインプレーでかく乱して相手の出足を止める。守備でもディフェンスラインを速く敷き、2人でタックルに入ってフランスの攻撃を止めるつもりだ。日和佐は「意表を突いたプレーだったり、日本の速いテンポでプレーをしたい」と金星の青写真を描いている。

 フランスは6日に日本代表戦のメンバーを発表し、世界最強の左PRバルサラ、フランカー、デュソトワール主将、司令塔のSOトランデュクら最強布陣を組んだ。TABの日本―フランス戦のオッズはフランスの41~60点差勝利が1番人気の2・3倍で、日本の引き分け以上は25倍。「欧州の強豪となかなか試合をする機会がないので楽しみです」とフランカー菊谷崇主将(31)。日本は大穴で世界を驚かせたいところだ。

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2011年9月8日のニュース