篠原監督、危機感…ロンドン五輪へ課題は重量級

[ 2011年8月29日 06:00 ]

柔道世界選手権最終日

(8月28日 フランス・パリ、ベルシー体育館)
 最終日は男女5人制の国別団体戦が行われ、女子は決勝でフランスに敗れ銀メダル。男子も準決勝でフランスに2―3と競り負け、銅メダルに終わった。個人戦の日本は男女合わせて金5、銀6、銅4のメダルで全日程を終了した。男女とも軽量級は期待通りの活躍を見せたものの、男女とも重量級が苦戦。ロンドン五輪まで1年を切ったビッグイベントで課題が浮き彫りとなった。

 女子は2階級で日本人同士の決勝が実現し、男子は66キロ、73キロで大学生の新星が初優勝と、前半戦は日本勢の活躍が目立った。しかし、男子は81キロ級以降で急ブレーキ。100キロ級、100キロ超級はメダルも逃した。全日本男子の篠原信一監督が「まったく想像してなかった」という惨敗。最終日の団体戦でも準決勝のフランス戦で100キロ超級の上川が敗れ、2―3で決勝進出を逃した。

 篠原監督は強化対象選手の入れ替えを示唆するなど方針の見直しも言及したが、現実的には厳しい。北京五輪までは世界選手権の上位8カ国などに出場権を分配し、各国協会が代表を決めていた。だが、ロンドンからは世界ランクで出場権を配分。男子の場合、基本的には各階級上位22人の「個人」に出場権が与えられることになっている。

 五輪出場を決める来年5月1日のランキングには、昨年5月から今年5月までのポイントも反映される。そのため、今後新戦力を投入しても、出場権を確保できない可能性がある。現状の戦力でどこまで――。個人戦も初戦敗退の上川に対し「論外。でも、それ以外(の国内の候補)はもっと論外」という篠原監督の強い口調が、危機感を物語っていた。

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2011年8月29日のニュース