日馬富士 無傷の12連勝!白鵬V8止めるぞ!

[ 2011年7月22日 06:00 ]

<大相撲名古屋場所12日目>魁聖(左)を上手出し投げで破る日馬富士

大相撲名古屋場所12日目

(7月21日 愛知県体育館)
 単独トップの大関・日馬富士が魁聖を上手出し投げで下し、無敗をキープした。初日から12連勝は初優勝を飾った09年夏場所以来、自身2度目。史上初の8連覇を目指す横綱・白鵬に1差で追われる展開だが“大記録阻止”に向けて絶好調をアピールした。前日に白鵬を破った大関獲りの琴奨菊は鶴竜を寄り切って10勝目。昇進の目安となる12勝に“マジック2”とした。
【取組結果】

 初優勝を飾った2年前の夏場所の感覚が戻ってきた。優勝争いの単独トップを走る日馬富士は持ち味である「スピード」「技術」、さらに「荒々しさ」を生かした内容で伸び盛りの魁聖を圧倒。初日からの連勝を前回優勝時と同じ「12」に伸ばした。取組後の支度部屋では白鵬の8連覇阻止に向け、淡々と語った。

 「大関になった以上、これが当たり前。今までは情けないというかケガがあった。耐えて一生懸命鍛えてきょうまでがある。そういう意味で(12連勝は)良かったですね」

 今場所は気合が空回りしていない。1度突っかけて魁聖の喉元を強烈に“無駄押し”。相手の戦意を燃え上がらせ、2度目の立ち合いでは冷静に右を差した。その後、左で前まわしを握って42キロ重い魁聖を翻ろう。最後は時計回りに1回転しながら上手出し投げ。土俵上では懸賞をつかんだ右手を上げて場内にアピールするなど、兄貴と慕った朝青龍ばりのふてぶてしさも復活してきた。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)によると、好調の要因は「ケガをしていない」こと。ここ1年は右肩、右足首、右膝などを立て続けに負傷。ケガが治っては新しい箇所を痛めるという悪循環を吹き飛ばすべく、今場所前から稽古での番数を10番ほど意識的に減らす「ケガをしない稽古」を実践した。名古屋入りしてからは、八百長問題で引退して現在は部屋のコーチを務める元幕内・安壮富士の杉野森清寿氏(31)にも胸を出してもらって調整し、気力、体力ともに充実させて場所を迎えていた。

 帰り際には「千秋楽まで全勝でいきたい?」と尋ねられると「そうですね」とポツリ。魁皇の引退や琴奨菊の大関獲りばかりが注目されるが、27歳の大関も主役の座を狙っている。

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2011年7月22日のニュース