貴親方 魁皇1045勝へ太鼓判「あっさりと行く」

[ 2011年7月9日 06:00 ]

朝稽古で調整する大関魁皇

 大相撲名古屋場所(10日初日、愛知県体育館)を前にして、貴乃花審判部長(元横綱)が8日、千代の富士の持つ通算1045勝にあと1勝と迫っている大関・魁皇に最大級の賛辞を送った。この日、名古屋場所の取組編成会議が行われ、魁皇は初日に嘉風、2日目は豪栄道と対戦することが決定。かつてのライバルの後押しを受けたベテラン大関が、初日からの連勝で一気に新記録樹立を狙う。

 半年ぶりの通常開催を前にして、平成の大横綱が同期の魁皇を称賛した。この日、愛知県体育館で名古屋場所の取組編成会議に出席した貴乃花親方は、1045勝まであと1勝に迫った魁皇の話題にも言及。38歳にして衰えを知らぬ鉄人ぶりに「信じられない。凄いとしか言いようがない。まして(現役の時間が短い)相撲ですから」と驚嘆の声を上げた。この日の取組編成会議では、初日に嘉風、2日目に豪栄道との対戦が決まったが「(あっさりと)行くでしょうね。(初日、2日目に)懸けてくると思いますよ」と連勝を予想した。

 2人は88年春場所初土俵の同期生。貴乃花親方は数々の名勝負を演じたライバルとして、その実力を十分知り尽くしている。自身は30歳で引退したが、魁皇が長く現役で活躍できていることには「勤勉さ。休むことなく、四股や基本動作を続けてきたことが結果になっている。(対戦する)若手も腰が引けてしまうのでは」と敬意を表した。

 大記録に挑む魁皇はこの日、横綱・白鵬らと伊勢神宮に参拝した。腰などに不安を抱えていることもあり、汗だくになりながらも砂利道をゆっくりと歩き、“体力温存”に専念。報道陣の問いかけには「そっとしておいて」と遠慮気味にコメントした。

 相撲協会によると、1045勝目の期待がかかる初日・嘉風戦の懸賞は8日現在で12本。白鵬の15本より少ないが、2日目は白鵬の8本を上回る12本が懸かることが分かった。結びよりも懸賞が多いのは異例で、魁皇人気の高さをあらためて実証している。一気の連勝で歴代トップの勝利数へ。ファンが待ちに待った瞬間は、もうすぐそこまで来ている。

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