研究に余念なし!白鵬“土俵の鬼”で偉業V8へ

[ 2011年7月1日 06:00 ]

朝稽古に姿を見せた横綱白鵬

 名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)で前人未到の8連覇に挑む横綱・白鵬(26)が30日、名古屋市内の宮城野部屋で行った朝稽古で“土俵の鬼”初代・若乃花の「右おっつけ」の習得に励んだ。初めて名古屋で本場所が開かれた1958年名古屋場所で優勝した若乃花の取組映像を見て、参考にすることを決意。これまでにもさまざまな名力士の取り口を研究してきたが、新記録の懸かる重要な場所で新境地を開くことになった。

 好奇心旺盛な一人横綱が新たな武器を増やそうとしている。この日の朝稽古で白鵬は幕下・龍皇や若い衆を相手に、立ち合いから右でおっつけながら前に攻める取り口を何度も繰り返した。すぐに得意の右四つの形になるのではなく、脇を締めて相手の左腕をあてがって体勢を崩す。参考にしたのは“土俵の鬼”若乃花の取り口だった。

 きっかけは、28日に名古屋市内のホテルで行われた「維持員との集い」だ。名古屋で初めて本場所が開催された58年に優勝した、若乃花の取組映像が会場で流されており、それを見て心が動いた。「右のおっつけが良かったからまねした。(習得できれば)また楽に相撲を取ることができる」。

 過去にも数々の名力士の映像を見て参考にしてきた。体重の少なかった新弟子時代には舞の海の技術を、体重が100キロに乗った三段目時代からは千代の富士の前みつを取る相撲を、幕内に上がると北の湖の勝負に対する厳しさを。それ以外にも双葉山、大鵬、貴乃花ら過去の大横綱は全て研究済み。20度目の優勝を目指す段階に来ても研究に余念がない生粋の“相撲オタク”ぶりが今日の白鵬をつくっている。

 1日に予定していた貴乃花部屋への出稽古は部屋から遠いこともあり断念。しかし、3日からは関取衆がいる部屋に出稽古する予定で、新たな技術に磨きをかけていく。

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2011年7月1日のニュース