遼“攻めない勇気”足りず…12番大叩きでV逸3位

[ 2011年6月27日 06:00 ]

12番、ティーショットを右に曲げガックリする石川遼

男子ゴルフツアー・ミズノ・オープン最終日

(6月26日 岡山県笠岡市のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部=7317ヤード、パー72)
 石川遼(19=パナソニック)が魔の12番に泣いた。2打差の3位から出て10番までに4バーディーを奪い、首位に立ったが、12番でトリプルボギーを叩き、優勝争いから脱落。これが致命傷となって通算10アンダーの3位と、今後に向け課題を残す結果となった。通算13アンダーに伸ばした19歳の黄重坤(韓国)が日本ツアー2位の年少記録で初優勝し、7月の全英オープン(14日開幕、英サンドイッチ、ロイヤル・セント・ジョージズGC)出場権も手にした。
【最終R成績】

 たった1ホールで全てが帳消しとなった。10番でバーディーを奪い、単独首位に立った後の12番パー4。石川の1Wでの第1打は大きく右へと曲がった。ギャラリーの頭上を越え、隣の13番ホール側のブッシュに落下。膝まで伸びた草が茂る中、残り160ヤードから8Iでグリーンを狙ったが、シャンクして今度は池に落とした。第4打もグリーンに乗らず5オン2パット。痛恨のトリプルボギーで今季初勝利を逃す結果となった。

 「良い緊張感の中でプレーしていたのに、たった1ホールだけそれを欠いてしまった。あの1ホールが悔しい」

 今大会の会場は海が近く風が強いうえ、ラフも深い“仮想全英”コースだったが、まんまとわなにはまった。ティーショットは5番以降、下半身が動かなくなり、安定性を欠いた。第1打は「修正しようとしていた」中でのミス。しかし傷口を大きくしたのは「AWとかSWで出すだけという考えはなかった。あわよくばグリーンへと思った」という8Iでの第2打だった。「草がボールにおおいかぶさっている感じ。届かせたいと思って大振りしすぎた」とクラブの選択ミスを認めた。

 たった一打が命取りになるのがメジャーの舞台。バーディーを取るゴルフが石川の持ち味だが、全米オープンで優勝したマキロイ(英国)が4日間でボギー以上がわずか4個だったことを見ても、ミスを最小限に抑えることが上位で戦う条件だ。石川には積極果敢なゴルフに加え、不要なボギーを叩かないという“攻めない勇気”も一つ上のレベルに行くために必要になってくる。

 3位に入り賞金ランクでは1位に立ったが、石川は「これまでの9勝は一打一打とやっていたら優勝した。今は勝ちたいと思って優勝することの難しさを感じている」と1勝の重みをかみしめた。日韓対抗戦を経て、その先には全英オープンが待つ。「今回のコースをさらに難しくしたのが全英。この経験を次につなげたい」。攻めのゴルフが代名詞の石川に“勇気ある撤退”を選択肢に加える時が来た。

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2011年6月27日のニュース