福島、貫禄の2冠!被災地の“声援”を力に

[ 2011年6月13日 06:00 ]

2冠の福島(左から2人目)はV2ポーズ(左から2位の市川、3位の今井、岡部)

陸上日本選手権最終日

(6月12日 埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
 女子200メートルは福島千里(22=北海道ハイテクAC)が23秒44で制し、前日の100メートルと合わせ、日本選手権では自身初の2冠を達成した。

 得意のスタートで勝負はついた。一気に加速した福島は30メートルすぎで早々と他を圧倒。直線では2位となった市川の追い上げを許したが、それでも0秒18差をつける圧勝だった。「自分のレース展開で最初から最後までできた。終わってホッとした」。目標のA標準記録突破こそ逃したものの、100メートルに続いての2冠達成に納得の笑みを浮かべた。

 今大会では同じ“福島”ということで福島県の関係者から「がんばろう!ふくしま!」と書かれたオレンジ色のリストバンドをプレゼントされた。「私のことを応援しているわけじゃないですけどね」と言いつつも、被災地から届いた“声援”を力に変えた。

 昨年は春に100メートル、200メートルとも日本新記録を樹立。記録更新の期待が高まった日本選手権の200メートルは0秒01差で競り負けた。そして今季は春先のレース中に左ふくらはぎをけいれんするなど、不安を抱えて今大会を迎えた。「今回は記録を意識しなかったのでプレッシャーがなかった。こういう形で始まったシーズンだけど今は最高の気分。私も世界を目指す挑戦者。今季最高が8月に出せたら」。夏の世界舞台に向け、福島が自信と笑顔を取り戻した。

 【女子200メートル決勝】(1)福島千里(北海道ハイテクAC)23秒44(2)市川華菜(中京大)23秒62(3)今井沙緒里(至学館大)23秒97(3)岡部奈緒(チームミズノ)23秒97
[世]ジョイナー(米国)21秒34
[日]福島 千里(北海道ハイテクAC)22秒89

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