日馬、魁皇ガチガチ…いきなり2大関に土

[ 2011年5月9日 06:00 ]

<技量審査場所・初日>豪栄道(左)に押し出しで破れる魁皇

技量審査場所初日

(5月8日 東京・両国国技館)
 八百長の再発防止策が導入された場所で、いきなり2大関に土がついた。日馬富士は栃煌山の圧力に尻もちをつき、魁皇も豪栄道に一方的に押し出された。勝った琴欧洲、把瑠都の2大関も内容的には不安定で、上位陣はいつになく硬さが目立った。白鵬を含めた上位力士は、ぶざまな相撲はできないという重圧の中で“ガチガチ”の闘いを強いられることになりそうだ。
【取組結果】

 八百長問題が発覚して初めての場所。支度部屋が厳戒態勢となるなかで、上位陣は逆に金縛りにあったように本来の動きを欠く結果となった。

 大関陣はトップで登場した日馬富士が栃煌山に一方的に敗れ、3番手の魁皇も豪栄道にあっけなく押し出された。把瑠都と琴欧洲は白星発進したが、内容的にはもうひとつだった。

 場所前の測定で体重が9キロも減り、稽古不足が指摘された魁皇は「もう少し相撲勘をつかまないと。きょうみたいな相撲を取らないようにしないと」と言葉少なに振り返った。また4月29日の稽古総見で稀勢の里に5連敗するなど調整不足が目立った日馬富士も「(久々の場所で)ちょっとドキドキしたよ」。いつもとの違いを質問されると「僕は一生懸命やっている」と言い切った。

 八百長問題で春場所が中止となり、5月場所も「技量審査場所」として開催せざるを得ない状況となった。八百長問題は依然として全容解明がなされていないなか、放駒理事長(元大関・魁傑)は「土俵で失った信頼は土俵で取り戻してほしい」とゲキを飛ばしたが、ぶざまな相撲で負ければ逆に色眼鏡で見られるという心理が上位陣から本来の動きを奪ってしまったようだ。

 「日馬富士と魁皇は少し(いつもと)動きが違うという部分があった。2、3日すれば落ち着いてくるとは思うが…」と心配そうに語る協会トップの表情が、波乱含みの15日間を予感させた。

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2011年5月9日のニュース