ツアー史上4人目 不動裕理が通算50勝!

[ 2011年5月2日 06:00 ]

ツアー通算50勝を達成し喜ぶ不動裕理

サイバーエージェント・レディース最終日

(5月1日 千葉・鶴舞カントリー倶楽部=6395ヤード、パー72)
 プロ16年目の不動裕理(34=フリー)が史上4人目となるツアー通算50勝を達成した。首位からスタートして5バーディー、1ボギーの68で回り通算10アンダー。同じく首位から出た世界ランク2位の申ジエ(23=韓国)を3打差で振り切った。樋口久子、ト・アギョク、岡本綾子に次ぐ50勝到達で、すでにトップの生涯獲得賞金は12億円を突破。2週前の西陣レディースに続いて出場2試合連続での優勝を飾り、05年以来6年ぶりの賞金女王にも意欲を示した。
【最終R成績】

 優勝インタビューで目標を聞かれた不動に客席から声が飛んだ。

 「賞金女王!」

 思わず不動は吹き出したが、その言葉を否定はしなかった。「私にはまだやることがあるのかなと思って前向きにもっと勝っていきたい。前向きに賞金女王を考えたい」。05年まで6年連続でツアーを席巻した元女王が再びの戴冠を宣言した。

 難しいコースに2日目と最終日は強風が重なった。実力が如実に表れる条件下で唯一の2桁アンダー。3日間でのボギー数はわずかに2つだった。「きのうはショット、きょうはアプローチとパットに助けられた」と1、2番から1パットでパーを拾い、3番では6メートルを沈めて初バーディー。小技で序盤の流れをつくると、勝負どころの16、17番の連続バーディーで申ジエを突き放した。

 一昨年は初優勝した99年以降で初めて勝利なしに終わった。「大切なところでの自滅が多かった。一打の大切さも分かったし、あの1年があるからこそ今がある」

 それまで「いいスコアで上がりたい」だった意識は「一打一打いいショットが打てると楽しい」に変わった。調子が悪いとすぐに変えたパターは、昨秋からようやく1つに落ち着いた。この日の赤いウエアのように「あまり好きじゃなかった」という明るい色も気にせず着始めた。強さは変わらずとも、多くの変化の先にある50勝目だった。

 これで7月の全英女子オープン出場はほぼ当確。国内メジャー初戦となる今週のワールド・レディース・サロンパス杯には史上初の国内メジャー“グランドスラム”が懸かる。ツアー勝利数では偉大な先輩たちにまだ及ばない。50勝もまだ通過点。不動には「やること」が残されている。

 ▼日本女子プロゴルフ協会・小林浩美会長 不動さんは申ジエさんといいものを引き出し合って、本物の強さを見せてくれた。まさに横綱相撲、横綱ゴルフ。プロゴルファーのお手本になる優勝だった。

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