遼くん耐えた 悪天候中断も暫定13位

[ 2011年4月24日 06:00 ]

石川遼は6番グリーン脇からバンカーショットを放つ

男子ゴルフツアーつるやオープン第3日

(4月23日 兵庫県川西市・山の原ゴルフクラブ山の原コース=6770ヤード、パー71)
 雨と強風による悪天候で競技が5時間32分中断となり、日没サスペンデッドで24人がホールアウトできなかった。石川遼(19=パナソニック)はホールアウトまで約10時間に及ぶラウンドとなったが、4バーディー、2ボギーの69で回り暫定13位につけた。近藤共弘(33=フリー)が14番を終え、通算14アンダーで暫定首位につけている。最終日の24日に第3ラウンドの残りと最終ラウンドを行う。

 約10時間の長いラウンドを終えた石川の表情は暗かった。疲れが理由ではない。17番を終えて通算9アンダーまでスコアを伸ばしながら、最終18番で第1打を右の林に入れてボギーとし「自分のゴルフに満足がいかない。話にならない。悔しいです」といら立ちを隠さなかった。

 雨が喜怒哀楽を生んだ。午前8時40分に1番を出ると次第に雨脚が強まり、12番途中の午前11時14分に中断となった。この時点で3バーディー、1ボギー。状態は「良くなりつつあった」と上昇気配のまま、クラブハウスへ引き返した。

 昼食を取った後、すぐに練習場へ。土砂降りで選手は誰もいなかったが、手応えを感じていたスイングをものにするためレインウエアを着て黙々と打ち込んだ。「まずは自分のためでしたけど、たくさんの人が残ってくれていた。一石二鳥だと思いました」と5時間半の中断時間のうち約3時間を雨の練習場で過ごしたのはファンへの思いもあった。

 その努力が競技再開後に生きた。460ヤードの14番パー4。ピンまで残り183ヤードの第2打を5Iでピンそば10センチにつけるスーパーショットでバーディーを奪った。「薄暗くて、ボールと目との距離感が難しかったけど、うまく打てた」

 午後6時25分にホールアウトした後は再び練習場に向かい、1Wからパット、アプローチまで総点検。日が完全に落ちた午後6時55分にようやくクラブを置いた。日没サスペンデッドで24人がホールアウトできず、この時点で首位とは6打差あるが「何とか早い段階で2桁アンダーにしたい」。とことんゴルフと向き合った1日を、無駄にはしない。

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2011年4月24日のニュース