課題の「3日目」攻めて69!遼1差2位浮上

[ 2011年4月17日 06:00 ]

6番、強風の中、アプローチショットを放つ石川遼

東建ホームメイト・カップ第3日

(4月16日 三重・東建多度カントリークラブ名古屋=7081ヤード、パー71)
 強風の影響でアンダーパーがわずか4人という過酷な条件の中、石川遼(19=パナソニック)が69をマークし通算6アンダーとし、10位から首位と1打差の2位に浮上した。マスターズは3日目に消極的なゴルフでスコアを伸ばせなかったが、その反省を生かした。最終日に史上最年少のツアー10勝目を狙う。高山忠洋(33=法仙坊GC)が68を出して通算7アンダーで首位に立った。
【第3R成績】

( 海外でもまれた経験が生きた。最大瞬間風速15・7メートルの強風が吹き荒れる悪条件を克服した石川は「3日間で一番難しかった。その中で順位も上げたし、内容も良かった」と真っ黒に日焼けした顔に充実感を漂わせた。

 7番パー4の第2打は初日がSW、2日目は9Iだったが、逆風をまともに受けたこの日は4Iを握った。パーで切り抜けても、あまりの過酷なコンディションに「きょうはどうなるんだろう」と不安が頭をよぎった。

 それでも慌てなかった。普段よりクラブ選択に時間をかけ、慎重に1打に臨んだ。14番の第2打は風を完璧に読み切った。強い逆風の中、3段グリーンの一番上の段に切られたピンを狙わなければいけない。「真正面からのアゲンスト。でも12時(方向)ではなく1時ぐらいから来ている」。風向きを感じ取り、残り120ヤードからPWで50センチに付けた。「3ヤードの距離、方向のブレが許されない。狭いエリアは海外メジャーと共通している。きょう一番気合が入った」と会心のショットでバーディーを奪った。

 昨年の全英オープンは最大瞬間風速18メートルの中でプレーするなど、海外で過酷な条件を何度も体験している。その経験が、アンダーパーわずか4人という中で4バーディー、2ボギーとスコアを伸ばす一因になった。

 マスターズの反省も生かした。20位に手応えをつかむ一方で、順位が大きく変動する“ムービングデー”3日目に73とスコアを落としていた。初の予選通過に満足し、ピンを攻めていけなかったことを「自分の消極性が出た」と悔やんでいた。だが、その課題も直後の大会でクリアした。

 「マスターズとは比較しがたいけど、トーナメントの3日目に変わりない。予想以上に選手を抜けた。3日目の出来としては満足です」

 最終日のテーマは、大会前から口にしている攻めの姿勢だ。「オーガスタからいい流れできている。きょうのようにたった4バーディーでは勝てない。ここでもう一回気持ちを切り替えたい」。首位の高山とは1打差。逆転すればツアー10勝目。19歳212日での2桁到達は、27歳248日の尾崎将司を大幅に上回る史上最年少記録となる。自身初の開幕戦Vへ、ジャンボ超えへ、ピンを攻め続ける。

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