引退届提出せず…蒼国来と星風が勧告拒否

[ 2011年4月13日 17:38 ]

 日本相撲協会は13日、八百長に関与したとして11日に引退勧告の処分を受けた幕内蒼国来(27)=本名恩和図布新、中国出身、荒汐部屋=と十両星風(27)=本名ボルド・アマラメンデ、モンゴル出身、尾車部屋=が、引退届の提出期限だった13日までに届けを出さなかったと発表した。

 八百長問題で現役力士が勧告を拒否したのは初めて。相撲協会は14日に臨時理事会を開き、2人に対して解雇などのより厳しい処分を下す方針。

 蒼国来は13日に「やっていないことを明らかにするために、(引退届を)出さなかった」と話し、処分撤回を求めて法的手段に訴えることを明言した。星風の師匠、尾車親方(元大関琴風)も、星風が法的措置を講じる可能性を示唆した。

 八百長問題では、1日に引退勧告などの処分を受けた23人のうち、前谷川親方(元小結海鵬)ただ一人が勧告に応じず、その後解雇された。

 実態解明に当たった特別調査委員会は蒼国来について、前竹縄親方(元幕内春日錦)らの証言に基づき、昨年夏場所の春日錦戦を八百長と判定。星風については、前竹縄親方の証言が翻って一度は疑惑が消えたが、元千代白鵬らの証言により、ことし初場所の千代白鵬戦を八百長と認定した。

 ▼蒼国来の話 悩んでいないといったらうそになる。でも、やっていないことを明らかにするために(引退届を)出さなかった。法的措置? はい、もちろん。(八百長を)やっていないので。

 ▼蒼国来の師匠、荒汐親方(元小結大豊)の話 内モンゴルから連れて来てこんな結果になり、蒼国来には本当に申し訳なく思う。私は今でも信じている。自分の信念を通し、疑いが晴れるように一生懸命頑張ってほしい。

 ▼星風の師匠、尾車親方(元大関琴風)の話 本人の意思は一貫しているので、それを尊重したい。訴訟をするにしても私は手伝えないが、自分自身の人生だ。(処分を)否定するのも力士の権利。それに立ち入ることはできない。

 ▼放駒理事長(元大関魁傑)の話 2人から(引退届が)出てこなかった。(引退勧告に)従ってくれるものと思っていた。でも、本人が従わないということであれば、しょうがない。処分の内容は明日(14日)決める。

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2011年4月13日のニュース