遼くん、ハード日程も「ギャラリー圧倒したい」

[ 2011年4月13日 06:00 ]

笑顔で米国から帰国した石川遼

 今季の国内男子ツアー開幕戦、東建ホームメイトカップ(三重・東建多度CC名古屋)は14日に第1日を迎える。マスターズで20位と健闘した石川遼(19=パナソニック)は12日に帰国。現在の技術にプロ入り時の積極性を融合させた2011年型スタイルで、開幕戦から勝利を目指す考えを示した。

 2カ月に及んだ米国遠征。日焼けし精かんさを増して帰国した石川は今季の国内ツアーについて「勝つか負けるかの戦いをしたい。どこまで攻められるのか一度追求したい」とテーマを掲げた。

 3度目のマスターズで20位と健闘した。しかし「3日目に伸ばせなかったことが心残り」と最終成績よりも消極的になって73とスコアを落とした第3ラウンドを悔やんだ。他のプロは決勝ラウンドに入って予選以上に攻めるゴルフを見せた。マスターズを反省し、導き出したのが今年のプレースタイルだった。

 メジャーを終え、半日以上に及ぶ飛行機移動で08年のプロ入り当時の自分の姿を思い出した。「あの時は入るか入らないかのパッティングをしていたし、狭くてもピンを狙っていた」。だが、多彩なショットを覚えて多くの経験を積んだ今は、知らないうちに失敗しないゴルフを選択するようになっていた。「3年前の自分の積極性を今の自分の技術に応用したら、もっとチャンスが多くつくれているはず」。近い将来、マスターズで勝つことを目指すからこその結論だった。

 マスターズを終えてから挑んだ東建ホームメイトカップは09年が37位、昨年は予選落ちと苦しんだ。今回も開幕前日に会場に入るハードスケジュールだが、調整の難しさを言い訳にはしない。積極的なゴルフで「ギャラリーの皆さんを良い意味で圧倒したい。試合に挑むからには優勝を狙って出ます」と意気込んだ。「原点の積極性」+「現在の技術」。その答えは自身初の「開幕戦勝利」で証明する。

 ≪全米OP出場権獲得目指す≫石川は次の海外メジャーとなる全米オープン(6月16日開幕)の出場権は持っていない。5月23日時点、もしくは6月13日時点で世界ランク50位以内に入るか、5月23日に行われる日本地区予選を通過することが条件となる。現在、世界ランク46位の石川は「目の前の試合に戦って結果がどうなるかどうか」とまずは国内ツアーで好成績を残して世界ランク50位以内を維持することで出場権獲得を目指す。

 ≪被災地「行きたい」≫今季の獲得賞金の全額を東日本大震災の義援金として寄付する石川は「被災地でマスターズを観戦して応援してくれた方が1人でもいるなら感謝したい。自分はたくさんの人にサポートしてもらった。今度は自分が皆さんをサポート、応援する番」と語った。震災後、初めて日本の地を踏んだが「いつになるか分からないが、被災地に行きたい気持ちはある。勇気づける側の人間も焦る必要はない。何十年続けていけるか」と長期的支援の重要性も話した。

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