北島 好タイムで平100V!世界水泳切符ゲット

[ 2011年4月10日 06:00 ]

男子100メートル平泳ぎで優勝し、笑顔の北島康介(奥)と2位の立石諒

競泳世界選手権代表選考会第1日

(4月9日 浜松市総合水泳場)
 男子100メートル平泳ぎで、北島康介(28=日本コカ・コーラ)は派遣標準記録1(59秒96)を突破する59秒44の好タイムで制し、08年北京五輪以来の世界大会となる世界選手権(8月、上海)の切符を手に入れた。東日本大震災の影響で日本選手権が中止となり、今大会は世界選手権の代表選考会として行われ、初日は個人種目で10人、リレーで4人が代表に内定した。

 プールから上がった北島の表情は充実感で満たされていた。「だいたい想定していたタイム。59秒台前半は非常に評価していい」。4月の大会としては過去最速の59秒44。これまで国内大会は気持ちを盛り上げるのに苦心していただけに「奇跡みたいなもの」と照れ笑いを浮かべた。

 前半の50メートルを自身の持つ日本記録を100分の2秒上回るペースで入り、立ち見も出るほど大盛況だった観衆を沸かせた。「最後は浮いてしまった」と終盤失速したものの、昨年の日本選手権3冠の立石を1秒近く突き放した。復興支援チャリティー大会と銘打って行われた大会を盛り上げ「力強い泳ぎを見せて、元気を与えられたらいい」とホッと息をついた。

 2月の日本短水路(25メートル)選手権を3種目全てで日本記録で制しても、理想とする泳ぎとの微妙なズレを感じていた。拠点の米ロサンゼルスのプールは25ヤード(約23メートル)と短い。「ヤードだと(力任せに)ガツガツ行ってしまう。長水路(50メートル)ではごまかせない。しっかりかいて、しっかり蹴ることをやってきた」。独力で本来の大きな泳ぎを追求してきた。「自分からやっていくのが米国スタイル」と独自の調整方法を確立し、無冠に終わった昨年の失敗は繰り返さなかった。

 金メダルを獲得すれば、ロンドン五輪代表に内定する世界選手権の切符は手に入れた。「決まって当然と思われているからね。200メートルも代表権を取れるようにしたい」と昨年4位に沈んだ11日の200メートルへ向けて気を引き締めた。

 ▽世界選手権代表選考基準 個人種目は今大会の決勝で、日本水連の定める派遣標準記録2を突破し、2位以内に入れば自動で代表内定。自由形を除く50メートル種目は派遣標準1突破が条件となる。リレー種目は上位4人のタイムがリレーの派遣標準記録2を突破すれば、内定する。

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2011年4月10日のニュース