終戦直前には非公開場所…千秋楽は“無料公開”に

[ 2011年4月6日 21:42 ]

 1945年6月の夏場所は、空襲によって被災した旧両国国技館で非公開で行われたが、新聞やラジオで知った人々が日に日に集まり、千秋楽は国技館がほぼ満員に膨れ上がって事実上の“無料公開”となった。

 この場所は7日間の開催。戦争のため興行を自粛し、傷痍軍人や関係者だけを招いた。非公開場所ではあったが、幕内は東前頭筆頭の備州山が7戦全勝で優勝し、幕下以下は春日野部屋の仮設稽古場で5日間行われた。非公開場所ではまげを結う床山が戦争の影響で不足し、横綱土俵入りの力士以外はちょんまげ姿で相撲を取った。

 関係者によると、当初から無料公開する5月の技量審査場所では十両以上の関取全員が大銀杏を結い、本場所用のまわしを締める。観客には取組表を配布するが、広告は外す方向。優勝パレードは東日本大震災の被災地を考慮して行わない。放駒理事長(元大関魁傑)は「時期も時期だから、派手なことはなるべく自粛する」と話した。

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2011年4月6日のニュース