“公務員の星”川内 快挙翌日も通常勤務

[ 2011年3月1日 06:00 ]

レースから一夜明け、両手いっぱいの荷物を持って宿泊先のホテルをチェックアウトする川内

 27日の東京マラソンで日本勢トップの3位に入り、世界選手権(8月、韓国・大邱)の代表に内定した川内優輝(23=埼玉陸協)が28日、本職である埼玉県立春日部高定時制の事務員として出勤した。学校では祝福などの電話が鳴りっぱなしだったが、入学願書受け付けの職務などを全うした。

 “公務員の星”になっても、仕事とマラソンに取り組む姿勢はぶれない。前夜は日本陸連の沢木専務理事から「いろいろ連絡するから電話はとれる状態に」と忠告を受けたが「仕事中はとれません。空いた時間に折り返します」と埼玉県職員としての公務優先を明言。「練習の一環で走っているので同じリズムでやる」とレース間隔の狭いプランも変えず、今後は5月の仙台国際ハーフマラソンを軸に調整する。

 日本陸連は強化選手として強化費を支給する考えだが、公務員の規定があるため「県庁に確認してから」と楽観的には喜ばなかった。埼玉県スポーツ振興課の担当は「副業はできないという地方公務員法から外れなければ」との見解を示した。

 出勤前は雨の中、都庁周辺で30分のジョグ練習を行った。異色の公務員ランナーは注目を浴びてもマイペースを貫き、世界選手権を目指す。

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2011年3月1日のニュース